サブスクで潜在顧客にルンバを体験してもらう

 日本でスマートホームの普及がなかなか進まない理由について山田氏は「新しいものに飛びつかない、使ったことがないものは信用しない、という日本人の国民性がある」と分析している。アイロボットジャパンが独自に打ち出した「ロボットスマートプラン」は、それらの障壁を打ち破るための施策だ。

 「『ロボット掃除機、一家に一台』という目標を実現するために何ができるのかを、2年以上前からずっと考えてきた」と山田氏。そしてたどり着いたのが、購入を検討しているものの、あと一歩が踏み出せないでいる“潜在顧客”の背中を押す仕組みだ。「ロボットスマートプラン」の狙いは、まずルンバがある生活を体験してもらうこと、そのために導入コストを下げることにある。

「ロボットスマートプラン」の対象は「ルンバ i7+」「ルンバ 980」「ルンバ 641」の3モデル。ベーシックモデルの「ルンバ 641」なら月額1200円(税別)で利用できる
「ロボットスマートプラン」の対象は「ルンバ i7+」「ルンバ 980」「ルンバ 641」の3モデル。ベーシックモデルの「ルンバ 641」なら月額1200円(税別)で利用できる

 ルンバがある生活をしっかり体験してもらうという意味で、同プランでは、契約開始から12カ月以内は解約・返品不可という“しばり”を付けた。12カ月未満で解約・返品した場合、12カ月分の利用料の残金の支払い義務が発生するため、月額3800円(税別)の「ルンバ i7+」を例に取ると、最低でも4万5600円の支払いが発生することになる。これはユーザーにとってリスクと言えないだろうか。

 この疑問に対して山田氏は「ロボット掃除機にまったく興味がない層は、このサブスクリプションサービスに興味を持たないので、利用するのは潜在顧客と考えていい。12カ月という期間が適切かどうかの判断は難しいが、実際に使ってみればルンバの良さを実感してもらえるはず。解約したいというユーザーはほとんど出てこないとみている」と答えた。「ロボットスマートプラン」は、自社製品に対する自信に裏付けられたサービスなのだ。

 「ロボット掃除機の場合、ケーブル類を整理したり、障害物を取り除いたりすることによって、日々の掃除がより効率的になる。そういった使い方に慣れてもらうまでの期間を12カ月と想定した」(山田氏)

 言うまでもないが、アイロボットはすべての購入チャネルを「ロボットスマートプラン」にするわけではなく、店頭販売は続けていく。ユーザーにとっては、店頭での購入に加え、サブスクリプションサービスという選択肢が増えるということだ。