アイロボットジャパンは2019年6月8日、ロボット掃除機「ルンバ」を月額で利用できるサブスクリプションサービス「Robot Smart Plan(ロボットスマートプラン)」を開始した。「ロボット掃除機は高い」という理由で購入に二の足を踏んでいるユーザーの取り込みを狙う。
「ロボットスマートプラン」の対象製品は、ベーシックモデルの「ルンバ641」、ハイスペックモデルの「ルンバ980」、自動ごみ収集機がセットになった最上位モデル「ルンバ i7+」の3機種。それぞれの月額利用料は税別1200円、2800円、3800円で、フィルターやバッテリーといった消耗品の費用はユーザーの負担となる。
今回の新サービスは日本独自のもので、その背景には米国に比べてルンバの普及率が低いという事情がある。アイロボットジャパンの発表によれば、ルンバの全国世帯普及率は19年3月時点で5.1%。同社代表執行役員社長の挽野元氏は、「日本における普及率は米国の半分以下。普及率を上げるためにユーザーの選択肢を増やしたのが今回の『ロボットスマートプラン』だ」と話す。2023年までにルンバの世帯普及率を10%に引き上げるのが目標だ。
「ロボットスマートプラン」は、36カ月の利用を前提にしたサービスで、期間が満了すると製品はそのままユーザーのものになる。初期費用を抑えて購入のハードルを下げるのが狙いだが、単純な分割払いにはないメリットも用意した。同社マーケティング本部 本部長の山田毅氏は、「使ってみて、家庭の環境に合わないと思ったら返品できるのが単純な分割払いとの違い。36カ月間の無償保証・無償修理が付属するのも、ユーザーにとってはメリットだ」と新サービスの利点を強調する。
ただし、落とし穴もある。「ロボットスマートプラン」は契約から12カ月間は解約・返品不可となっている点だ。利用開始から13カ月未満で解約を申し出ると、ユーザーは違約金を支払うことになる。具体的には、12回分の月額利用料から実際に利用した月数分を差し引いた金額で、例えば利用開始3カ月で解約を申し出た場合、違約金は月額利用料の9カ月分になる。
加えて、13カ月目以降は、無償保証・無償修理は継続されるものの、ユーザーの過失による故障については有償修理となる。
なお、「ロボットスマートプラン」の支払額の合計は、各製品とも実勢価格をやや上回る。無償保証・無償修理が36カ月間続く点に、ユーザーが差額分の価値を見いだしてくれるかどうかが新サービスの成否を分けるポイントとなりそうだ。
(写真/堀井塚高)