エコノミークラスでは“ご当地カレー”を提供

 それでも、エコノミークラスでも提供する試みは行われている。6月は福井県産のソースを使ったカツカレーを日本発の欧米路線で、7月は富山県産の白海老をだしに使ったカレーを日本発東南アジア・東アジア路線で提供する。8月は長野県産のリンゴジュースでマリネした鳥もも肉を添えたカレーが日本発東南アジア・南アジア路線で出される予定。素材そのものを味わえるわけではないが、何とか地域の名前を押し出そうという努力が感じられる取り組みだ。

 Taste of JAPANの狙いは、日本の魅力を国内外に発信することにより、地域活性化や訪日観光客の増加に貢献しようというもの。つまり、知名度の高い有名店の“看板”を使ってANAの搭乗客を増やそうという一般的なコラボとは逆で、ANAの機内を使って地域をアピールすることが目的なのだ。和食だけでなく、洋食にも積極的に地域の食材を取り入れているのは、訪日客にも関心を持ってもらうためであり、「ヨーロピアンオマールブルーのロースト 長野県産塩尻メルローワインソース」であれば、メニューにもきちんと「Roasted European homard blue with Nagano Shiojiri Merlot wine sauce」と産地名を記載してある。日本通であっても「Shiojiri」と聞いて場所が分かる外国人がそう多いとは思えないが、「メニューだけでなく、機内誌や機内番組などで多面的に魅力を伝えられるのが強み」とANAは話す。

機内番組でも各県を特集していく
機内番組でも各県を特集していく
会見にはゆるキャラが大集合した
会見にはゆるキャラが大集合した

 5月に開かれたメニューのお披露目会には、各県の担当者とゆるキャラが大集合。地域からの期待の大きさをうかがわせた。ANAにとっては直接的な集客効果は望みにくいものの、地域に関心を持つ観光客が増えれば、まわりまわって乗客増も期待できる。したたかな取り組みと言えそうだ。

(写真提供/ANA)