LINEのビデオ通話もつながりっぱなしで生活する若者

 若い世代にとって、今の状況をネット経由で友達に見せることは日常だ。Instagramのストーリーズ(Stories)でライブ中継すれば、文字や画像で伝えなくても、「今誰とどこで何をしているか」を簡単に友人とシェアできる(関連記事「若い女性が夢中、Facebookの『ストーリー』って何?」)。

 LINEのビデオ通話もよく使われている。ずっとつなげていても無料なので、通話状態のまま端末を部屋に置いておき、勉強したりくつろいだりしながら、気が向いたら話すといった使い方だ。相手が誰でもそういう使い方をするわけではないが、「つながりっぱなし」であることにそれほど抵抗を感じないのだ。

 Twitterで「Zenly」を検索すると、「Zenlyやってる人つながろう」とIDの交換を呼び掛けている人が多い。友達の人数で機能が増えることもあるが、Zenlyを開いたときに表示される友達が少ないとつまらないからだろう。中高生のTwitterは知り合い同士でフォローし合っているケースが多いので、やみくもにつながるためにZenly IDの交換をしようとしているわけではないが、なかには赤の他人とつながっている人もいると思われる。

 Zenlyはよく滞在する場所に「家」アイコンを設置するため、他人に家がばれる可能性もある。自分の居場所を隠すモードも用意されているが、位置情報を固定するか曖昧にする手段しかないため、隠していることは周囲に知られる。

プライバシーの基準は細かく分かれている

 幼い頃からネットがそばにある若い世代にとって、オンラインとオフラインの違いは希薄だ。ネットでの顔出しは当たり前で、自分の名前、学校名、部活などをSNSに記す。「彼らにはプライバシーを守る気がない」と考える人もいるだろう。

 しかし、若い世代が全員Zenlyを歓迎していると考えるのは早計だ。プライベートの露出に抵抗が薄い世代ではあるが、常に位置情報を監視されるZenlyには拒否感を示す人も多い。大人と同じように、発信する情報を制御したいという考えだ。プライバシーに関してはすべての若者が緩いのではなく、それぞれが自分のポリシーを持っていると考えたほうがいいだろう。

 現在のスマホネイティブは、青春時代をネットと共存している初めての世代だ。「自分を知ってほしい」「でも全部は知られたくない」「友人と常につながっていたい」「でも干渉されるのはウザい」と常に揺れ動いている。はやりのサービスが登場しても、つまらないと感じたらすぐに去っていく。次に若者が何を面白いと感じるか、テクノロジーの進化と併せて、読み解く必要があるだろう。