ゲームで培ったイベント事業をガンダムへ

45周年を迎える、サンリオのハローキティとのコラボ企画「ガンダムvsハローキティ」などは、まさに“何でもあり”な企画ですね。こうした方針はどうしてできたのでしょうか。

浅沼氏 まず、ファーストガンダムと呼ばれる最初の機動戦士ガンダムはTVの本放送時にはそれほど人気がなく、打ち切りと呼べる状態で終わりました。それが徐々に人気が出て再放送が行われ、さらにガンプラが発売されて大ヒットになった。作品先行でありつつもガンプラの商品展開がけん引したところもありと、そうした成り立ちが要因としてあります。

 その後に「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」など、最初の機動戦士ガンダムを作った富野由悠季監督による続編が出ました。こうした続編の展開は他の作品でもあることですが、ガンダムシリーズの場合、そこから先は「機動武闘伝Gガンダム」(1994年放送開始)など、いろいろなクリエーターが自由な発想でガンダムを作るようになっていきました。そこが他の作品とは大きく違うところです。

 ガンダムと呼ばれる巨大ロボットが登場して戦うところは踏襲していますが、それ以外は自由。シリアスな作品からライトな作品まで非常に幅広く、さまざまなガンダムが作られて世界が広がっていきました。

 そしてガンダムシリーズはどれも登場キャラクターやメカが非常に多い、団体戦のような作品と言えます。特定の主人公やメカが出てこないと作品として成立しないという部分を取り払った面白さがあります。こうしたところが影響しているのでしょう。

そうやって展開してきたガンダムですが、40周年ではどんな取り組みをしていくのでしょう。

浅沼氏 40周年は1年で終わるものではなく、今後数年の取り組みと考えています。まずシンボリックなものとしては、2020年夏に向けて、「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」と題して、“動く”実物大ガンダムを横浜市山下ふ頭に作ります。お台場のガンダム像と同様に、多くの人々の注目を集めるものとなるはずです。

40周年イベントの一環として、2020年夏には“動く”実物大ガンダムを横浜市山下ふ頭に展示予定。画像はそのイメージ図 (C)創通・サンライズ
40周年イベントの一環として、2020年夏には“動く”実物大ガンダムを横浜市山下ふ頭に展示予定。画像はそのイメージ図 (C)創通・サンライズ

 そしてこれまでの周年事業と比べると、ライブが多いんです。バンダイナムコグループには「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ、「アイドルマスター SideM」といった歌って踊るタイプのゲームやメディアミックスの人気コンテンツがあって、ライブイベントを多数実施しています。トレンドはライブなんです。そこでガンダムでもライブ系のイベントを多く企画しています。

 19年2月には「機動戦士ガンダム00」(07年放送開始)を舞台化した「機動戦士ガンダム00 -破壊による再生-Re:Build」を上演しました。ガンダムシリーズの舞台化は初です。そして8月には「劇場版『機動戦士ガンダム』シネマ・コンサート」を行います。これは映画を上映するのですが、BGMをフルオーケストラが生演奏するというものです。これもシリーズ初となります。9月には、フェス系のライブイベント「LIVE-BEYOND」を行います。これは世代を超えて、40年分のガンダムシリーズの音楽をさまざまなアーティストが演奏するライブです。

ライブ系のイベントというと若いファンが集まるイメージがありますが、ガンダムのイベントの場合、ターゲット層はどうなるのでしょうか。

浅沼氏 アンケートなどを見ると、ここ10年ぐらいの直近の作品のファンが多いんです。機動戦士ガンダム00から、「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」(15年放送開始)、「機動戦士ガンダムUC」(10年、OVA)といった作品です。

 ただ、そういったアンケートに出てこない潜在的なユーザーも多くいるんです。例えば私は40年前のファーストガンダム放送時は高校生でしたが、そうした年代の中には“俺はガンダムが好きだ!”と声高に言うことはなくてもガンダムが好きな人、子供の頃に好きだった人が多くいます。そうした人がネットなどでガンダムのイベントがあることを知って、“こういうのもあるんだな”と興味を持って見に来てくれたらと思います。もちろん、そうした人たちも楽しめるイベントにしていくつもりです。