総合ディスカウントストアのドン・キホーテは、2019年4月18日、ヘルステック系のベンチャーと共同開発した飲むタイプのギリシャヨーグルト「TAKE GReeK(テイク グリーク)」と生活雑貨2製品を発表した。ターゲットは健康、美容に関心の高い若い女性だ。
美と健康の専門家の意見を商品開発に生かす
今回、ドン・キホーテ(東京・目黒)がプライベートブランド(PB)製品でコラボしたのは、FiNC Technologies(東京・千代田)が開発したフィットネス系アプリ「フィンク(FiNC)」のアンバサダーたち。FiNCはモデルの中村アンをはじめとする美と健康に関心の高いアンバサダーが、アプリ上で情報発信するのが特徴だ。現在、ユーザーの男女比は1対9で、大半を20~30代の女性が占める。
ドン・キホーテとFiNCアンバサダーの共同企画は、2019年3月に発表されたスポーツブランド「アクティブギア」に続いて今回が2回目。ドン・キホーテの狙いは、PBの情報をFiNCアンバサダーに発信してもらい、20~30代の女性の来店動機に結び付けること。一方のFiNC Technologiesは、ドン・キホーテのブランド力や約650店舗に上るグループの店舗網によって、知名度の向上を図るのが目的だ。
ドン・キホーテはFiNCアプリ内で公式アカウントを開設している。ドン・キホーテの公式サイトでも「FiNC特設サイト」を用意し、相互に商品情報を発信している。ドン・キホーテの小田切正一SPA開発本部本部長によれば、「商品情報や売り場の状況をSNSに投稿するユーザーも多く、第1弾の『アクティブギア』は想定を超えるほど好評だった」とのこと。
差異化のポイントは片手飲みとインスタ映え
ギリシャヨーグルトは、高たんぱく・低カロリーなのにどっしりした食べ応えがあるため、健康志向の人たちに人気が高い。11年に森永の「パルテノ」が登場して以来、明治の「ザ・グリーク」、ダノンの「オイコス」など、各社が続々と進出している分野だ。
テイク グリークの特徴は、一般的なヨーグルトよりもたんぱく質を多く含み(1本あたり10.0グラム)、脂肪ゼロかつ甘さが控えめなこと。生きたまま腸まで届くビフィズス菌をBB-12を含んでおり、香料・安定剤などは使用していない。
テイク グリークの開発に携わったアンバサダーの一人、ビューティースイーツクリエイター/ライフデザイナーのHALU氏は「ギリシャヨーグルトは濃厚なだけにスプーンを使って食べるのが当たり前だったが、もっと手軽に片手で持って飲めるようにした」と話す。「よくある“飲むヨーグルト”では駄目」と語るのは、アンバサダーでダイエッターのmiey氏。「普通のヨーグルトは糖分が多すぎ。ギリシャヨーグルトじゃないとたんぱく質が足りないんです」(miey氏)。
たんぱく質を補うという意味ではプロテインも人気の商品だ。しかし管理栄養士の資格を持つアンバサダーの星野春香氏は、「プロテインには(脂質・炭水化物などの)余計な成分も多い」と語る。アンバサダーでヨガコーディネーターの三和由香利氏は「仕事中に小腹がすいたときなどに、テイク グリークならストローを挿すだけで飲める。プロテインパウダーを溶かすのは煩わしい」と話す。
テイク グリークの開発に当たっては、PR効果も考えてパッケージにもこだわった。「男性でも女性でも手に取りやすい、ライフスタイルに溶け込みやすいデザインにした。文字の部分が特徴的なので写真でも映えると思う」(HALU氏)。
ドン・キホーテでは、「若い女性が新生活を始めるときに『あったらいいな』を低価格で実現する」をコンセプトに、FiNCアンバサダーとの共同企画としてコンパクトポット(税別1480円)とセラミックフライパン(税別1980円)も開発。19年4月19日から販売を開始している。
(写真/堀井塚高、写真提供/ドン・キホーテ)