スターバックス コーヒー ジャパンとLINEが2019年4月8日に発表したデジタル領域における包括的な業務提携締結。LINE Payでチャージ可能なバーチャルカード「LINE スターバックス カード」の提供をはじめとする3つのポイントについて解説する。
LINEのシステム上でデジタル戦略を推進するスターバックス
記者会見ではスターバックス コーヒー ジャパン最高経営責任者(CEO)の水口貴文氏、LINE社長の出澤剛氏が登壇。それぞれ提携の意義や、新展開にかける期待を語った。さらにスターバックス コーヒー ジャパンデジタル戦略本部長の濵野努氏が、具体的な業務内容の提携について解説した。
今回の提携のポイントは以下の3つ。
- (1)バーチャルカード「LINE スターバックス カード」の発行
- (2)スターバックスのLINE公式アカウントの開設
- (3)スターバックス全店舗へのLINE Pay決済の導入
スターバックスは、デジタル技術を通じた顧客体験価値の向上を推進する。実店舗に加え、LINEによる顧客とのコミュニケーションを強化するとともに、国内で急速に普及し始めたキャッシュレス決済の導入が主な目的だ。
スターバックスとLINEは、LINEでつながっている友達にギフトをプレゼントできる「LINE ギフト」で2015年から協業している。今回の提携では、それをさらに進化させた。
水口CEOは、北米のスターバックスでは独自のキャッシュレス決済システムを導入し、成功しているという。しかし日本では独自システムを構築せず、ユーザー数が7900万を超えるLINEと提携し、そのシステムを活用することで、スムーズにデジタル戦略を加速しつつ、新たな顧客の獲得も目指そうというわけだ。
LINE Payを通じてチャージが可能になる企業発行のプリペイドカードは、「LINE スターバックス カード」が初となる。LINE Payの用途や顧客の拡大を狙うLINEとしても、新たな取り組みにおける最初のパートナーとして、ブランドイメージの高いスターバックスは最適な企業といえる。