日本のトップデータサイエンティストの1人、日本航空(JAL)の渋谷直正氏が、2019年4月1日付けでデジタルガレージに移籍した。新設のチーフ・データ・オフィサー(CDO)に就任し、グループのビッグデータや人工知能(AI)活用を加速する。渋谷氏にCDOとしてどのようなビジネスに取り組むのか、なぜ移籍したのかを聞いた。
デジタルガレージのグループCEO本部のチーフ・データ・オフィサー(CDO)となる。どのようなミッションがあるのか。
今回、CDOという新設のポジションで、グループのデータを横断的に活用していく。データの可能性を発見し、新たなビジネスを作りたい。ITやガバナンスではなくビジネス目線でデータ活用に取り組みたい。日本では珍しい存在ではないか。
デジタルガレージにはマーケティングや金融ソリューションから、投資・インキュベーションまで幅広いビジネスがある。また「価格.com」や「食べログ」を運営するカカクコムは、デジタルガレージの持ち分法適用となる関連会社である。
カカクコムのデータはもちろん貴重だが、他のビジネスのも含めてグループのデータを活用していきたい。価格.comや食べログのデータだけを活用したければ、カカクコムに入ればいい。グループの各事業のデータを掛け合わせた新たなビジネスを創出したい。活用の余地が大きい。
今回の話はどちらからか。やり残したことはないのか。
デジタルガレージ側から話をもらった。相当悩んだが、話を聞いているうちに「一緒にやってみたい」と思うようになった。42歳の今、最後のチャンスと思い移籍を決断した。
JALには2002年に入社し、09年からWebのチケット販売データの分析と打ち手の導出までやりがいのある仕事に取り組ませてもらった。JALのような大きな企業で10年間も同部署で専門的に取り組ませてもらえるのは珍しいこと。本当に感謝している。
ただ日本では大企業に所属しながら、特定の分野に専念するのは難しい。私であればデータの分析・活用だ。ビジネス面でデータを活用する専門組織を作りたいとも思っていた。私が言うことではないかもしれないが、今後機が熟したら同僚や後輩には取り組んでもらいたい。
グループデータ活用の専門組織を立ち上げたい
デジタルガレージのCDOとしてまず何に取り組む。
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