集客力の高い立地を武器にボールパーク化を加速

横浜スタジアムの完成予想図。完成後は約3万5000人を収容可能になる(画像提供:横浜スタジアム)
横浜スタジアムの完成予想図。完成後は約3万5000人を収容可能になる(画像提供:横浜スタジアム)

 量と質を手に入れ、景観までも“味方”に付けた横浜スタジアム。「ハマスタを横浜の一大社交場にする」と岡村社長は意気込む。これで終わりではない。現在工事中のレフトスタンド側のウィング席、および外周につながる回遊デッキは、20年3月に完成予定。すべての工事が終わると、収容人数は約3万5000人となる。

 プロ野球界では今、球場に足を運ばせる施策として、娯楽施設や飲食エリアを充実させた「ボールパーク化」が進められている。ハマスタのコミュニティボールパーク化構想も、その流れに沿ったものといえる。「横浜、神奈川の人口(約920万人)を考えれば、(ハマスタを)地元ファンに応援してもらえる地域のソフトインフラにするだけで、球団経営は成り立つ」と、岡村社長は話す。

新設された「BAYSTORE HOME(ベイストアホーム)」。売り場面積450平方メートルは、同スタジアムのオフィシャルショップとして史上最大の広さ。関連グッズの品ぞろえは約3000点。試合のない日でも入店可能となっており、コミュニティボールパーク化構想の一端を担う
新設された「BAYSTORE HOME(ベイストアホーム)」。売り場面積450平方メートルは、同スタジアムのオフィシャルショップとして史上最大の広さ。関連グッズの品ぞろえは約3000点。試合のない日でも入店可能となっており、コミュニティボールパーク化構想の一端を担う

 岡村社長によれば、実際に観戦に訪れた人の満足度、リピート率は高いとのこと。「そういった体験をした人たちが次に友達、同僚、家族を誘うといったことが起きている。12球団で高いレベルの(ハマスタの)立地の良さが生きてくる」と、岡村社長は自信を見せる。

 横浜公園内にあるハマスタは、みなとみらい線の日本大通り駅、JR京浜東北・根岸線および横浜市営地下鉄ブルーラインの関内駅から、徒歩数分という好立地。周囲には横浜市役所や横浜屈指のビジネス街に、中華街や山下公園、そして“海”がある。集客力は非常に強い。

スタジアムのテラス席でみなとみらいの建造物をバックにスタジアムのビジョンを語る岡村社長
スタジアムのテラス席でみなとみらいの建造物をバックにスタジアムのビジョンを語る岡村社長
ハマスタへのアクセス。横浜スタジアム公式サイトより
ハマスタへのアクセス。横浜スタジアム公式サイトより

 ハマスタは、横浜市が取り組んでいるまちづくり「横浜スポーツタウン構想」の核だ。「横浜市が規制緩和してくれたことで、ウィング席の増設が可能になった」と岡村社長。横浜スタジアムは20年の東京五輪で、野球・ソフトボールの会場となることが決まっている。岡村社長は「増築・改修工事が完了し、(球団の運営が)軌道に乗るのは2020年以降。東京五輪はゴールではなく、スタート地点」と、気を引き締める。

(写真/酒井康治)