炊飯器で培った技術を応用

前面スイッチで、メニュー、厚さ、焼き色を設定する
前面スイッチで、メニュー、厚さ、焼き色を設定する

 焼き色をはじめ、操作は前面ボタンで行う。ブレッドオーブンを開くと、小さなプレートがある。下にフラットヒーターがあり、プレート上にパンを乗せて蓋を閉じてスイッチを入れる。蓋にもフラットヒーターが仕込まれており、上下から加熱する。

 蓋には炊飯器同様のパッキン状パーツが付いており、密閉することによって内部の熱、パンの水分や香りの成分などを逃がさず、蒸し焼き状態で仕上げる。一般のトースターには密閉機構がないため、パンの水分や香り成分が逃げてしまう。センサーで食パン両面の温度を測って加熱を細かく制御しており、焼きムラもできにくいという。

プレートにパンを乗せて焼く。使用後の手入れはウェットティッシュなどでふくだけ
プレートにパンを乗せて焼く。使用後の手入れはウェットティッシュなどでふくだけ

 密閉機構やセンシングが強みだが、そこには同社が炊飯器で培った技術を投入している。断熱がしっかりしており、焼いている最中に本体に触れてもそれほど熱くないのも同様だ。

蓋にもフラットヒーターがある。炊飯器のようなパッキンで、内部を密封
蓋にもフラットヒーターがある。炊飯器のようなパッキンで、内部を密封

フレンチトーストで魅力を訴求

 3万円前後という価格は、現在高級トースター市場で人気の高いバルミューダ「BALMUDA The Toaster」(実売価格2万4800円前後)を上回る。ただ食パンがおいしく焼けるだけでなく、何か新たな魅力を訴求できなければ追撃はかなわない。

 強みとしてアピールするのが、フレンチトーストだ。溶いた卵と牛乳を混ぜた液をパンに染み込ませて焼くフレンチトーストは、フライパンで調理するのが一般的。焼いている間はフライパンの前を離れられず、ふんわりと焼き上げるのも難しい。

 ブレッドオーブンなら、液を染み込ませたパンを置いてスイッチを入れるだけで、短時間で焼ける。軟らかく膨らんだ焼き上がりは魅力的。このフレンチトーストは、大きな強みになりそうだ。

焼き上がったフレンチトースト。うまみを逃がさないことで、より濃厚な味になるという
焼き上がったフレンチトースト。うまみを逃がさないことで、より濃厚な味になるという

 ブレッドオーブンは家電量販店ではなく、ECサイトを中心に販売するとのこと。ふっくらとしたフレンチトーストの焼き上がりや、蓋を開く瞬間の香りの広がりといった“強み”は、どのように訴求するのか。

 「実店舗で展示もするが、飲食店とのコラボレーショやホテルに置いてもらうなどして、製品に接してもらえる機会を増やす」(岩原氏)という。月産2000台の予定で、短期間でヒットを狙うのではなく、長いスパンで販売していきたい考えだ。

(写真/湯浅英夫)