進化するスポーツウエア、変わらない洗剤

 スポーツ熱が高まる裏で、洗濯洗剤とスポーツウエアとの“知られざる戦い”が繰り広げられていた。発端はスポーツウエアの機能性がアップしたこと。現在ほぼすべてのスポーツウエアに合成繊維が使われているが、速乾や消臭、保温といった効果を持つ機能性繊維は登場以来、洗濯洗剤の“強敵”となった。

 というのも機能性繊維を含む合成繊維は石油からできているため、皮脂などの油汚れと結合しやすく汚れが非常に落ちづらい。通常の洗濯では、汚れが衣類に残ることが多いという。その結果蓄積された皮脂汚れも、“ニオイの元”となって衣類にとどまることになるのだ。

 皮脂汚れの主な原因はズバリ、汗。「大量の汗を吸収するスポーツウエアは、他の衣類に比べて蓄積汚れが多くなりがちで、ニオイが気になりやすい」(星川氏)。実際に「洗濯をしても、スポーツウエアに残るニオイが気になる」という声が近年特に目立っていたという。

P&GジャパンブランドPRマネジャーの星川聡氏
P&GジャパンブランドPRマネジャーの星川聡氏
油由来の合成繊維は油汚れと結合しやすく、汚れが落ちにくい
油由来の合成繊維は油汚れと結合しやすく、汚れが落ちにくい

 しかし、スポーツウエアが変化する一方で、洗剤の基本構造はあまり変わらなかった。「進化したスポーツウエアに、既存の洗濯洗剤では対応できていなかった」と星川氏は打ち明ける。

皮脂汚れは目には見えない。紫外線を当てると汚れ残りが分かる
皮脂汚れは目には見えない。紫外線を当てると汚れ残りが分かる

 「実は日本人は世界でもニオイに敏感な国民」とP&Gジャパンファブリック&ホームケア担当の森朋子氏は言う。実際に、消臭をうたった商品の売れ行きは好調で、16年に柔軟剤「レノア」シリーズに強い消臭力を発揮する「レノア本格消臭」を投入。中でも「レノア本格消臭 スポーツ フレッシュシトラスブルーの香り」は、同シリーズで2番目の人気商品になった。ここでも消臭にうるさい日本人の“スポーツ効果”がはっきりと表れたのだ。

 森氏は、「柔軟剤で一気にシェアが1位になり、消臭需要に手応えを感じた。汗のニオイに特化した『レノア本格消臭 スポーツ』が好評だったため、洗剤にも“スポーツ”が必要だと考えた」と、アリエールジェル プラチナスポーツの開発の背景を語る。

 スポーツを押し出した洗剤は他メーカーには存在しない。星川氏も「ライバルはいない」と言い切る。

P&Gジャパンファブリック&ホームケア担当の森朋子氏
P&Gジャパンファブリック&ホームケア担当の森朋子氏