国内最大規模の会員数を誇る楽天とスポーツ用品店最大手のアルペンが、共通ポイントカードやクレジットカードで連携を強化する。オンラインとオフライン(O2O=Online to Offline)のそれぞれで強みを持つ両社は、提携によってネットとリアルを行き来する顧客の購買行動の緻密な分析を目指す。
オンラインとオフラインの最強タッグが実現
1億人以上の会員数を誇る楽天と全国に401店舗を展開するアルペンが、2019年3月18日、ポイントサービスや提携カードでの連携強化を発表した。
同年4月1日から、アルペングループが運営するすべてのスポーツ用品店で、楽天の共通ポイントサービス「楽天スーパーポイント」のポイントの獲得やポイントでの支払いができる。また、同日から申込受付・発行を始める提携クレジットカード「アルペングループ 楽天カード」では、楽天スーパーポイントだけでなくアルペングループ独自のポイントも付与される。ちなみに楽天カードが小売業界と提携するのはアルペンが初となる。
「これからはリアルとオンラインショッピングやマーケティングが密接に結び付く時代に突入していく」と楽天代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は言う。「スポーツショップの最大手であり、さまざまな取り組みをするアルペンと組むことで、さらに新しい展開が生まれる」(三木谷氏)。
アルペン代表取締役社長の水野敦之氏は「リアルとデジタルをシームレスに連携させていくことは極めて重要。そこで、デジタルに知見と経験を持つ楽天との協業は欠かせない」と強調する。
両社はこれまでもアルペンの楽天市場への出店や、楽天が提供するゴルフ予約・検索サイト「楽天GORA」などで連携してきた。今回の共同施策で、楽天は「楽天スーパーポイント」および「楽天カード」の新規利用者の獲得を目指す。一方、アルペンは同社が持つリアル店舗での知見に楽天が持つデジタルの知見と経験を掛け合わせることで、多様化する消費者の購買行動の詳細な分析に取り組める。