生中継・遠隔医療…拡大する5Gソリューション

 映像分野では、5Gの高速・大容量、低遅延に加え、多数接続という特徴を生かした中継システムなどを展示していた。パナソニックの「スタジアムエンターテインメントソリューション」は、スタジアムにいるカメラマンが背負ったバックパックから、5Gで4K映像を送信。それをスタジアム内に配信して、大勢の観客がスマートフォンやタブレットで視聴したり、遠隔地でライブビューイングを視聴したりといった事例のデモを行っていた。

 ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズの「Virtual Production」は、簡易的な生中継のソリューションだ。複数のカメラの映像をクラウドに送り、クラウド上のアプリケーションで編集や映像切り替えなどをして配信する。映像送信を有線から5Gにすることで、撮影者の自由度が高まるうえ、カメラとクラウドを利用するパソコンなどのデバイスさえあればいいので、運用コストが抑えられる。想定しているのは、一般企業での社内向けコンテンツ中継や、自治体による祭事の中継など。18年9月に提供を始めた欧州では、一般企業によるイベント中継などに使われているという。

ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズのVirtual Productionのアプリ画面。複数カメラの映像とあらかじめ用意した映像を切り替えながら生中継できる
ソニーイメージングプロダクツ&ソリューションズのVirtual Productionのアプリ画面。複数カメラの映像とあらかじめ用意した映像を切り替えながら生中継できる

 NTTビズリンクの「遠隔医療ソリューション」は、遠隔地から患者の映像を5Gで都市部の専門医などに伝送し、医療をサポートしてもらうもの。医療格差の解消などに役立てられる。5Gの低遅延という強みもさることながら、高精細な患部画像やエコー動画なども送信でき、患者の状態をより正確に把握できるのがメリットだ。

 ヤマハは遠隔地にいるミュージシャン同士が、違和感なくセッションできるというソリューション「NETDUETTO」を紹介していた。メンバーそれぞれが自宅にいながらバンド練習をしたり、音楽教室が遠隔地の生徒に授業をしたりするなどの用途を想定している。光回線だと回線場所に制限されるが、5Gを使い、制約から解放する。

 ドコモは20年春の5G本格導入に向けて、海外を含む幅広いパートナー企業・団体とタッグを組み、事業展開や企業間のマッチングなどを支援していく。パートナーと5G技術を検証するための施設「ドコモ5Gオープンラボ」は、既にある東京、大阪、沖縄に加え、グアムにも開設するとのこと。

 ドコモの本気度は、会場を訪れた企業関係者向けのアンケートにも表れていた。配られた用紙に記入して提出すると、ドコモの支援部隊がそれをベースに5G導入を提案するという。「パートナーとともに5Gのソリューションを活用していきたい。アイデアベースから、すぐにサービスイン可能なレベルまで、さまざまなソリューションを用意している。興味がある人は、ぜひ手を挙げて参加していただきたい」と、吉澤社長は呼びかけた。