九州を地盤にディスカウントストアなどを展開するトライアルホールディングスは、AI(人工知能)活用を業界横断で推進している。そこにあるのは日本に対する強烈な危機感だ。マスコミの前に出ることはほとんどない同社の永田久男会長が、米シリコンバレーでインタビューに応じた。
トライアルホールディングス代表取締役会長
リテールAIを掲げて、実際に福岡市に700台ものAIカメラを導入した新店舗を2018年2月にオープンさせた。なぜAI活用を進めるのか。
なぜとか言っている段階ではない。リテールでAIをやらないという選択肢はない。福岡の新店には取引先も来ているし、競合と思われるスーツ姿の視察グループも多いね。
今、日本はリテールAIという分野に注力しないと本当に沈没してしまうと思うよ。日本に独自の技術はなくなった。失われた20年、30年でなく、50年、100年となり、もはや先進国でなくなっていくだろう。
そうした危機感からリテール業界でAIを推進しようと考えて、一般社団法人のリテールAI研究会も立ち上げた。
具体的にはリテールAIを活用するためのITやデータのプラットフォームを構築して、そのコンセプトを世界に広げていきたい。リテールAIについての理解度を測る検定も導入したいと考えている。リテールAIの商標権も出願中だ。リテールAIを日本に普及させて、競争力を取り戻したい。そうした思いから2018年の夏、『リテールAI最強マネタイズ』という本も執筆して、出版した。
今回、自社や取引先のメンバー約100人をシリコンバレーに連れてきて研修をしている。目的は何か。
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