moovel担当者に直撃インタビュー

Interview moovelアジアパシフィック担当に聞いた!

 改めて、ダイムラーのなかでのmoovelの位置付けを教えてください

クリストフ・スタドラー氏(以下、スタドラー氏) 我々は、複数の交通サービスの検索、予約、決済ができる自社のMaaSアプリ「moovel」や、相手先ブランドによるホワイトレーベルのMaaSアプリを世界で展開しており、それを可能にするプラットフォームに強みを持つソフトウエア企業です。例えば、15年からサービスを展開しているドイツのシュツットガルトでは、ドイツ鉄道や地下鉄、バスといった公共交通に加え、ダイムラーのカーシェア「car2go」や、タクシー配車サービス「mytaxi」などをmoovelアプリから直接予約できるようにしています。

 よく誤解されるのですが、我々はダイムラーのカーシェアなどを普及させるために活動しているわけではなく、中立的なプラットフォームです。むしろ常に公共交通や自治体に寄り添うのが基本で、マルチモーダルなソリューションを実現したい交通事業者を下支えするのがミッションです。

 18年末時点で、moovelが関わるサービスのユーザーは世界で620万人に達しており、18年の決済トランザクションは2770万回に上ります。そのうちユーザーの大多数が、moovelアプリなどを通じて公共交通を利用しています。

 今回、日本市場に初参入しました。欧米の公共交通は官主体なのに対し、日本は民間主導で状況が大きく異なります。やりにくさはなかったですか?

スタドラー氏 まず、今回、東急とJR東日本という日本を代表する交通プレーヤーと実証実験でご一緒できることに感謝しています。もちろん国や地域によってサービスの在り方、考え方の違いはありますが、今回プロジェクトを進めるに当たって特別なハードルは感じませんでした。ドイツも公共交通のオープンデータ化がすごく進んでいるわけではありませんし、そもそもテクノロジーは文化や言語を超えられるものです。個々のマーケットの事情に合わせる作業は、難しいというより良いチャレンジだと受け止めています。

 他のホワイトレーベルのMaaSアプリと異なり、Izukoでは日本ならではの機能が盛り込まれていますか?

スタドラー氏 既にデジタルフリーパスを導入しているケースは多いのですが、Izukoのように観光施設の入場券をデジタル化したり、観光スポットの情報連携を組み込んだりするのは初めて。MaaSによって移動のシームレス化をし、さらにその先の「目的」となるアクティビティまでつなげていくのは、日本の観光MaaSならではの取り組みです。

 最後に、今後の日本での展開予定は?

スタドラー氏 確定したことは何もありません。ですが、日本の鉄道やバス、タクシー会社はもちろん、自治体などともディスカッションを重ねていきたいと考えています。

moovelのクリストフ・スタドラー氏
moovelのクリストフ・スタドラー氏