東京でも大々的にキャンペーンを展開?

 実際、ここまでの流れを住宅エリアの東京・用賀と、ビジネス街の虎ノ門で試してみた。まず、1月20日(日曜)の昼間に用賀でアプリを立ち上げると、周辺に2台の車両しかなかったが、翌21日(月曜)の昼間に虎ノ門で見ると、近くに10台の車両アイコンを確認できた。用賀駅前ではアプリでタクシー配車依頼をしてから約1分で配車が完了、その後8分ほどでコンドルタクシーの車両が到着。虎ノ門で使った際は配車完了から2分ほどで車両が迎えに来た。まだ利用者が少ないので当然だが、乗車までの流れはスムーズだった。

 こうしたDiDiアプリで実現されている機能は、ユーザー目線では特段目新しいものではなかった。都内では、Japan Taxiや、DeNAのMOVでもほぼ同じことができる。そればかりか、DiDiアプリでは降車場所を指定しても目安の料金が表示されず、「一般タクシーメーター料金」とあるだけ。対して、Japan TaxiやMOVは配車依頼前に料金を把握でき、お気に入りの参加タクシー会社を指定したり、登録したりすることも可能だ。

 ただ、一方でタクシー配車アプリの真価は、AI(人工知能)や機械学習によって移動データを分析することでタクシー利用の需要予測をし、それにより参加タクシー会社の実車率を上げることにある。この点は各社ブラックボックスに包まれているが、中国を中心に世界5億500万人以上、1日当たり3000万回のアプリ利用を誇るDiDiが、膨大な移動データ分析のノウハウに長けていることは想像に難くない。

DiDiアプリで配車されたタクシーの車内広告
DiDiアプリで配車されたタクシーの車内広告

 これまでDiDiは大阪で毎週金曜・土曜の初乗り無料(680円)、ハロウィーン期間中の料金50%オフなど、大々的なキャンペーンを繰り広げ、ユーザーの利用拡大を図ってきた。東京での正式サービス開始時も、同様の戦略を取るだろう。そうしてDiDiがユーザーを引き付け、参加タクシー会社の実車率に明らかな違いが現れたら……。19年は、巨大商圏・東京を舞台にしたタクシー配車アプリの熾烈な戦いが本格化する。