米国でインテリアデザインのサイトやアプリが増えている。自分の住宅を改築する際、デザイナーや工務店だけに任せず、気に入ったデザインや素材を自ら選ぶためだ。家具や壁、床を選んだり、簡単なデザインを試してみたりすることが誰にでも簡単にできる。
住宅を改築することが多い米国だが、こうしたサイトやアプリは少なかった。しかし最近は充実した機能を活用し、好きなデザインや素材を自分で探し出し、できるだけ安い値段で購入しようとする人が出てきている。デザインや素材を工務店に伝えることで、自分の好きなインテリアにしていく。
ARを活用し、家具を仮想的に配置
改築を考える人たちによく知られているのは「Build.com」だ。バスルームやキッチンの改造に必要な蛇口、洗面台、バスタブなどを数百種類もの中から選んで購入できたり、施工者を探せたりする機能がある。ユーザーも工務店も注目しているサイトだ。AR(拡張現実)に対応したアプリも用意し、自宅内に購入希望の家具をバーチャルに配置してバランスを確かめることなどができる。
「Houzz.com」も人気。こちらも製品やタイルなどの素材を買えるが、それ以上に盛んなのが改築を計画する人やプロによる意見交換の機能である。実際の体験談やハウツーなどが非常に参考になるという。デザイナーや施工者が、写真入りでプロジェクトを紹介する場としても利用している。改築に際してインスピレーションになるアイデアが満載で、インテリア雑誌の代替的な役割も果たしているようだ。
3次元で改築アイデアを試す
日曜大工店チェーンとして知られる「Lowe’s」は、サイト上で3次元の機能を使って改築アイデアを試すことができるようにしている。家具の配置や壁の色を確認するなど、シミュレーションできるため重宝しそうだ。
「Photo Measures」というアプリは、部屋の写真を撮るだけで開口部分や家具の寸法が分かるようにした。メジャーを出して測らなくてもいいので、利便性が高まる。
米国の改築市場では、素人もデザイナーや工務店のプロさながらのツールや素材を、簡単に使える環境が整ってきている。今後は改築市場のさらなる拡大につながっていくだろう。
(画像は各社のサイトより)