AI(人工知能)活用などで日本だけでも2025年に15兆円の新市場を生み出すと期待されるスポーツ市場。16年からスタートしたプロバスケットボール「Bリーグ」は、共通IDの導入など5つの戦略でマーケットの拡大、競技人口の底上げを急ぐ。
日本における男子プロバスケットボール・リーグは、05年から2つのトップリーグが存在する状態が続いていた。国際的に競技力の高い国の代表ならいざ知らず、バスケットボール男子日本代表は、1976年のモントリオールオリンピックを最後に、五輪出場記録が途絶えている。
この事態を憂慮した国際バスケットボール連盟(FIBA)は2014年11月に日本バスケットボール協会に対し、会員資格の無期限停止処分を決定。この処分期間中は、男子だけでなく、女子やユースを含めた全ての代表チームの国際試合出場機会が失われた。
この混乱を収め、新生B.LEAGUE(Bリーグ)立ち上げのリーダーとなったのが初代Jリーグチェアマンを務めた川淵三郎氏である。
リーグ統一と新体制の道筋が見えた15年にFIBAの処分は解除。16年9月からBリーグのシーズンが正式に始まった。3シーズン目を迎えた現在のBリーグのチェアマンは、川淵氏と共にガバナンスと組織体制の整備に尽力した大河正明氏が務める。
2シーズンが終了した時点で見ると、Bリーグは順調に成長している。18年5月に公開された「B.LEAGUE Monthly Marketing Report」によれば、17年レギュラーシーズンにおけるB1とB2の合計平均入場者数は2223人。対前年度比で11.8%増の成長となった。
B1では優勝した千葉のほか、前シーズンから順位を大きく上げた北海道や川崎を含む8チームで、平均入場者数が3000人を超えた。「Sport Innovation Summit Tokyo 2018」というイベントで大河氏は、事業規模も2年目は初年度比で約30%成長。B1チームの平均事業規模は8億円で、リーグ発足前と比べると約3倍に上ると明かした。
同氏によると、Bリーグを発展させるための成長戦略は5つある。
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