パーソルキャリアの転職サービス「doda」のデータに基づく「平均年収ランキング2018」によると、データサイエンティストの2018年の平均年収は515万円で、17年の528万円から13万円下がったことが分かった。しかし、20代は8.8%増と大幅に伸びており企業の若手人材への投資意欲がうかがわれる。

(c)VectorKnight/Shutterstock
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 平均年収ランキング2018は17年9月~18年8月末までの間に、「dodaエージェントサービス」に登録した20~65歳のホワイトカラー系職種の男女を対象に調査。正社員約36万件の平均年収(手取りではなく支給額)をまとめた。

データサイエンティストの年収
データサイエンティストの年収

 データサイエンティストの年収が下がった背景について、パーソルキャリアは「データサイエンティストという職種が以前より一般化してきており、また、一部未経験OKな会社も出てきたことを背景に、若手のデータサイエンティストが増えてきた。そのため、年収が昨年より下がる結果となったと想定される」と分析している。

マーケティング職の平均給与は?

 日経クロストレンド読者に多い関連職種と比較してみた。データサイエンティストの515万円はマーケティングの490万円を上回るが、営業企画の530万円、経営企画/事業企画の599万円と比べて低い。その理由は就業者の年代が低いことにある。dodaは20~50代の年代別年収を公表しているが、データサイエンティストでは20代、30代のみの公表。年収が上がる40代以上が少なく集計できないためで、その結果、相対的に平均年収が低くなっている。

データサイエンティストは20代での年収は高い
データサイエンティストは20代での年収は高い
※データサイエンティストは「技術系(IT/通信)」の職種、その他は「企画/管理系」の職種

 ただし、20代に絞ると待遇は一変する。データサイエンティストの20代の平均年収456万円は前年の419万円から8.8%増と大幅に伸びた。全世代の平均年収では下回った営業企画405万円、経営企画/事業企画419万円を大きく上回り、データサイエンティストの20代の平均年収はクロストレンド関連職種の中でトップ。全166職種中で見ても12位。弁護士などの専門職、金融、経営コンサルティングに近い年収だ。若手人材へは大きく投資をしようという企業の意欲がうかがわれる。

 パーソナルキャリアは平均年収ランキング2018を18年12月3日に発表した。18年の正社員の平均年収は414万円で、前年の418万円から1%減少している。

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