産官学のMaaSエコシステムを構築

 JCoMaaS設立の目的は、「日本国内でのMaaS関連の産官学での知見の共有を行い、移動や都市の改善、施策、技術革新につなげること。海外で実装が進む自動運転×ライドシェア×MaaSによる都市の高度化のなかで、日本でも国際競争力のあるMaaSを作り出すこと」にある。既に欧州では、約60の民間企業、省庁、自治体が参加する「MaaSアライアンス」が組織されており、官民でMaaSを強力に推進している(参考記事「『MaaSは公共交通の利用を促進する』先行する欧州の経験則」)。

 JCoMaaSは“日本版MaaSアライアンス”ともいえる組織で、これから日本でMaaSの実現を目指す産官学のプレーヤーを会員として募り、専門的なワーキンググループやセミナーを通して議論を深めるなかで、ノウハウや知見を共有する場としての役割を担う。競合関係にある企業同士でも、標準化するとスムーズに社会実装が進められたり、早めに議論することでサービス連携を模索できたり、協調領域を見いだしながら産官学のエコシステムを構築し、より高いレベルのMaaS実現を目指す。企業間の競争ステージを上げることで、世界でも類を見ない最先端のMaaSを日本発で創出していく狙いだ。

 JCoMaaS理事の須田義大氏は、「MaaSの社会実装には、自動車メーカーや鉄道、バス、タクシー、地域、各産業によるエコシステム構築が必要。それにより、自動運転技術やシェアリングなど新しい技術やサービスも効果を発揮しやすくなる。JCoMaaSが、そのエコシステム構築の一助になればと考えている」と話す。

JCoMaaSは日本におけるMaaSの普及促進に大きな役割を果たす
JCoMaaSは日本におけるMaaSの普及促進に大きな役割を果たす

 専門ワーキンググループは、都市交通政策やモビリティ、情報通信、MaaSサービスデザイン、システムなどをテーマに月1回開催する計画。そこでの議論を取りまとめて会員向けにレポートし、海外事例なども適宜報告される。

 JCoMaaSの会員は、自動車メーカーや鉄道会社、バス会社、タクシー会社といったモビリティ関連にとどまらず、地域交通の再構築を目指す自治体、シェアリングサービスやMaaS関連のシステム構築などを担うITプレーヤー、MaaS実現によってビジネスチャンスが生まれる不動産・住宅、エネルギー、観光、小売り、商社など、幅広い産業からの参加が見込まれる。既に大手鉄道会社や自動車会社、金融機関など、複数の有力企業が参加意向を示しているという。JCoMaaSは政府とも連携しながらMaaS実現に向けた環境整備を行う構えで、日本でMaaSビジネスを展開し、成功するための“近道”となりそうだ。

本日の「日経クロストレンド EXPO 2018」にJCoMaaS理事が登壇!
【開催概要】
日時:2018年11月29日(木)
 【第1部】12:30~13:10(満席)
 【第2部】13:30~14:10
登壇者:牧村和彦氏(計量計画研究所)、日高洋祐氏(MaaS Tech Japan)
会場:東京国際フォーラム(東京・有楽町)
主催:日経BP社
企画:日経クロストレンド
受講料:無料(会場にて新刊『MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ』をお買い求めいただけます)
【特報】日本初の産官学MaaS専門団体、12月に設立へ(画像)