自動車向け部品や内外装パーツの開発製造を手掛けるメーカーが、自社のデザイン力を向上させ、ブランディングを強化しようと活動を続けている。「自動運転」「コネクテッドカー」など、自動車を取り巻く環境が大きく変化するなかで、これまで以上に「提案力」が求められていることに対応するためだ。

「スーパーサプライヤー by デザインアクティビティ(SSD)」は2018年で4回目を迎える
「スーパーサプライヤー by デザインアクティビティ(SSD)」は2018年で4回目を迎える

 自動車メーカーと部品メーカーの系列間のつながりも崩れ、部品メーカーが海外をはじめさまざまな自動車メーカーに自社部品を売り込むようになっている。プロダクトデザインだけでなく、技術や製品のプレゼンテーションをする場のデザインやプレゼン手法のデザインまで、インハウスのデザイン部門に求められる役割が急拡大していることも背景にある。

 BtoBの素材、部品メーカーが中心になって2015年に始めたのが、「スーパーサプライヤー by デザインアクティビティ(SSD)」だ。自らのデザイン力を強化しようという共同の取り組みで、デザインコンサルティングのトリニティの働き掛けでスタート。18年で4回目を迎えた。参加企業は現在、旭化成、カルソニックカンセイ、パイオニア、東海理化、トヨタ紡織など。各社から若手・中堅デザイナーと、マネジャーが参加した。有識者による講演やワークショップなどで発想力やデザインスキルを高め、企業の枠を超えた交流で刺激を与え合っている。

 18年は36人の若手・中堅デザイナーが数チームに分かれ、一つのテーマに基づいたプロダクトを考案し、実際にプロトタイピングするという内容。7月から11月までの約4カ月の間に3回に分けて実施した。

企業の枠を超えた発想や気づき

 最終回は11月2日。このときはチームごとにプロトタイプを制作し、プレゼンテーションを実施。その中から最優秀チームを表彰した。

 段ボールを使ったプロトタイピングでは、チーム内での役割分担や段取りの良さ、加工精度の高さなどが問われた。何よりもコミュニケーションの重要性を学ぶことができたようだ。今回のSSDに参加したある若手デザイナーは、「同じデザイナーでも、UIのデザイナーとプロダクトのデザイナーでは『言語』が違うということに気づかされた。これを乗り越えないと、意図を正確に伝えることができないし、良いものづくりは難しいと感じた。今後の課題が見つかった気がする」と言う。

 企業の枠を超えた交流により、こうした気づきをより多く得られるのがSSDの特徴だろう。

11月2日にはチームに分かれてプロトタイピングを実施(協力:段ボール製品メーカーの美販)
11月2日にはチームに分かれてプロトタイピングを実施(協力:段ボール製品メーカーの美販)
チームごとのプレゼンテーションを経て最優秀賞を選んだ
チームごとのプレゼンテーションを経て最優秀賞を選んだ

(写真提供/トリニティ)

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