中古車の買い取り販売店「ガリバー」を展開するIDOMが、個人間カーシェアリングサービス「GO2GO(ゴーツーゴー)」を2019年4月に始めることを発表した。クルマの所有から利用への流れが進むなかで、どのような生き残り戦略を立てているのか。新規参入の意図と、IDOMならではの優位性を探った。

IDOMは2019年4月から個人間カーシェアリング「GO2GO」を開始予定
IDOMは2019年4月から個人間カーシェアリング「GO2GO」を開始予定

 日経クロストレンドが2018年4月に報じた通り、中古車買い取り販売大手のIDOMが、個人間カーシェアリングサービスへの参入を表明した(「【特報】中古車大手IDOM 個人間カーシェアでも“ガリバー”目指す」)。

 サービス名は「GO2GO(ゴーツーゴー)」で、利用者の“ご都合”に合わせて使えることをアピールする。サービスの開始時期は19年4月を予定し、当初は東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪が提供エリアとなる。現在、国内のカーシェアリング用車両は約3万台といわれているなかで、「初年度で登録台数1万台を目指す」(IDOM経営戦略室 兼 CaaS事業部の天野博之氏)と、意欲的な計画を掲げる。

 その自信の根拠となるのは、全国約500店に上る店舗ネットワークと、年間で約35万台に達する中古車の買い取り、販売実績にある。この顧客接点を生かし、中古車を買いに来た人には同時にGO2GOへのオーナー登録を勧める、逆に売りに来た人にはGO2GOのユーザー登録を推奨する。特に中古車の購入者にとっては、例えば5000円で週2回マイカーを貸し出すことができれば月4万円の収益を得られることになり、クルマの所有コストの負担感をぐっと減らすことができるというわけだ。

 個人間カーシェアの分野では、DeNAの「Anyca(エニカ)」やNTTドコモの「dカーシェア」が先行している。しかし、最大手のAnycaはサービス開始3年で17万人以上のユーザーを抱える一方で、オーナーの貸出車両は6000台超にとどまっており、オーナーの募集に苦慮する現状が垣間見える。ここをIDOMは突破口にしようと考えているのだ。

GO2GOはマイカーのオーナーと、都度利用のドライバーをスマホアプリなどを介してマッチングする仕組み
GO2GOはマイカーのオーナーと、都度利用のドライバーをスマホアプリなどを介してマッチングする仕組み

 それだけではない。個人間カーシェアではユーザー側もオーナー側も双方に心理的な不安感が付きまとう。この点を解消するため、GO2GOでは保険会社と共同でカーシェアリング専用保険を開発中といい、さらにユーザー間の相互レビュー、運転ログの収集による運転評価機能を盛り込む。「運転評価が高いユーザーは保険料を割り引くなど、何らかの特典も検討中」(天野氏)という。また、スマートロックによる無人受け渡し、ガリバー店舗での貸出車両の受け渡し代行、車両の清掃や洗車、点検といったメンテナンスサービスも、今後導入する計画がある。

 加えて、他社の個人間カーシェアは貸出車両が普通車がメインだが、GO2GOでは貨物車両やキャンピングカーも対象とする。特にキャンピングカーは近年、アウトドアブームに乗って購入する人が増えている半面、毎週のようにキャンプに出掛ける人はまれで、自宅の駐車場で眠っている可能性が高い。一方でユーザー側の利用ニーズは高いので、人気が集中しそうだ。

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