PayPay(東京・千代田)社長の中山一郎氏は、2018年9月5日に開催されたイベント「ALIPAY DAY 2018」において「ソフトバンク、ヤフーが仕掛けるWキャッシュレス革命 ユーザー数No.1 店舗数No.1に向けて」と題して講演をした。PayPayが今後展開するキャッシュレス社会に向けた戦略を熱く語った。

PayPay社長の中山一郎氏
PayPay社長の中山一郎氏

 講演ではまず最初に1分強の短い動画が流された。さまざまなシーンでPayPayのサービスが利用される映像だ。この動画の意味するところを中山氏は次のように語った。

 「ヤフーは22年間、オンラインの世界で事業を展開してきた。この動画は、オフライン、つまりリアルの世界にいよいよ本格的に参入するという思いを込めて作ったものだ」

 PayPayはソフトバンクとヤフーが折半出資して作られた会社だ。QRコード決済サービスを今秋より提供する。技術提携をするのは、インドでナンバー1の決済プラットフォームを提供している「Paytm」。既に3億人のユーザーを抱え、800万店の店舗が利用しており、このノウハウを活用する。

大々的に経営資源を投入

 ソフトバンクグループ会長兼社長である孫正義氏は、18年8月に行われた決算説明会で、インド、中国で起きていることが同様に日本でも起きると語り、この事業への意気込みを表明した。また、ヤフーCEOである川邊健太郎氏も、ヤフーをもう一つ作るつもりで経営資源を投入すると語ったという。

 具体的な戦略としては、かつてソフトバンクがADSLの普及で展開したような、全国規模の営業を実施する。これまで、東京、大阪、名古屋、福岡の4拠点で先行して営業を行ってきたが、9月に入って新たに16拠点を立ち上げ、全国20拠点で大々的に展開する。まだサービスが始まっていないにもかかわらず、導入を決めた店舗は驚異的な伸びで増加しているという。

 店舗の手数料は3年間は無料。また現在は先行加入キャンペーンを行っており、手数料を無料にするだけでなく、来年1月まで手数料1%を還元する。決済するほど店に手数料収入が上がるという異例の施策だ。QRコードのステッカーを店舗に貼り、ユーザーのスマートフォンアプリで読み込み決済する場合は初期費用は無料。さらに月額固定費、決済手数料、毎日入金サービスのすべてを無料で提供するという。

 PayPayの独自アプリを立ち上げるだけでなく、ヤフーのスマホ向けサイトトップでも、ユーザーに案内していく予定だ。ヤフーが提供するショッピングやオークションでもPayPayを利用可能にする。現在の「Yahoo!ウォレット」の顧客基盤を活用し、PayPayを育てていく計画だ。

 「これまで、Paytmの主な出資者はソフトバンク・ビジョン・ファンド、アリババグループのアント フィナンシャルであったが、先般、バークシャー・ハサウェイも出資した。世界の投資家から期待されている証しだと思う」と中山氏。

Alipayとサービス連携を発表

 また、この日の講演を開始した午後5時に合わせて、プレスリリースを発表した。アリペイとのサービス連携だ。PayPayに加盟した店舗では同じQRコードでアリペイが使えるようになるという。さらには、アリペイの決済手数料を1年間無料にする。

 「我々は単に便利な決済手段を提供するというところにとどまるつもりはない。PayPayをさまざまなシーンで利用することを通して、ユーザーに華やかで豊かな生活を提供したいと考えている。夢のあるサービスを作っていきたい」と中山氏は語り、講演を締めくくった。

(写真/新関雅士)

この記事をいいね!する