バラづくりを手掛ける滋賀県守山市のRose Universe(ローズユニバース)は2018年6月1日、オリジナル品種の「WABARA」(和バラ)を活用した商品やサービスの販売を開始した。これまでは主に小売業への卸がメインだったが、バラの可能性を広げたいと考えて、一般の消費者が直接購入できる商品やサービスを今回、新たに開発した。

バラを栽培する温室の様子
バラを栽培する温室の様子
[画像のクリックで拡大表示]

主張し過ぎない清楚な印象のバラを

 WABARAは、育種家でバラ作家でもある國枝啓司氏が、06年より「生きたバラをつくる」をコンセプトに自社農園の「Rose Farm KEIJI(ローズファームケイジ)」で栽培。流通に合わせた過剰な操作を加えず、自然に即したバラづくりに挑み、約60品種のWABARAを生み出してきた。今回発表した商品やサービスは、季節のバラを詰めたブーケボックスや、オリジナルの花器のほか、花びらや花弁を取り入れたスイーツや野草茶など。「わばら農園」と名付けたボックスには、バラを農園で摘んだ自然な姿のまま詰めている。一般的に小売店で商品として流通するものとは異なり、野花の雰囲気をそのままに届けることを重視した。いずれも今後は公式のオンラインストアを中心に展開する予定。

 「日本から世界に向けてバラを発信したいと考え、WABARAと命名した。一般的に流通しているバラは強い主張をするものが多いが、野に咲く草花のような、清楚な印象のバラの栽培を目指している。さまざまな空間に調和するバラは、日本的な美意識にもつながると考えている」と國枝啓司氏の長男で同社CEO/WABARAプロデューサーの國枝健一氏は話す。

 今後は、農園での青空レストラン、温室でのボディーメンテナンスなどのワークショップ、さらには農場体験なども実施し、一般の人々が農園に訪れる機会を増やしていく予定だ。

現在、約60品種あるWABARAを1種ずつ並べたインスタレーション。「友禅」「ひなあられ」「つむぎ」など、それぞれのネーミングも特徴的
現在、約60品種あるWABARAを1種ずつ並べたインスタレーション。「友禅」「ひなあられ」「つむぎ」など、それぞれのネーミングも特徴的
[画像のクリックで拡大表示]
「わばら農園」の例で、税込み価格は1万2960円(写真提供:ローズユニバース)
「わばら農園」の例で、税込み価格は1万2960円(写真提供:ローズユニバース)
[画像のクリックで拡大表示]
「野ばら」の農園で説明をする國枝健一氏。食用バラは屋外エリアで栽培している
「野ばら」の農園で説明をする國枝健一氏。食用バラは屋外エリアで栽培している
[画像のクリックで拡大表示]