スリーエム ジャパンは2018年6月12日、同社の化粧フィルム「3M ダイノック フィルム」シリーズの新製品として、表面の光沢を抑えた「マットシリーズ」を発売した。独自開発の「マット・コーティング・テクノロジー」と呼ぶ技術を活用し、マット仕上げながら、指紋などの汚れも付きにくいようにしている点が大きな特徴だ。

「マットシリーズ」には、ラバーの質感をモチーフにした「ソリッドカラー」、木肌の質感の「ドライウッド」、アルミやメタルを表現した「スムースメタル」、セメントやモルタルの「スムースモルタル」、工業的なイメージの「インダストリアルテクスチャー」、マーブルなどの「スムースストーン」、ファブリック調の「テキスタイル」がある(写真提供:スリーエム ジャパン)
「マットシリーズ」には、ラバーの質感をモチーフにした「ソリッドカラー」、木肌の質感の「ドライウッド」、アルミやメタルを表現した「スムースメタル」、セメントやモルタルの「スムースモルタル」、工業的なイメージの「インダストリアルテクスチャー」、マーブルなどの「スムースストーン」、ファブリック調の「テキスタイル」がある(写真提供:スリーエム ジャパン)

 マット仕上げは、インテリアデザインの最新トレンドとして注目されている一方で、指紋などの汚れが目立ちやすいとされている。このため、インテリアや内装で使用すると、メンテナンスに手間がかかることが大きな課題だったという。マット仕上げでありながら、指紋などの汚れをどう防止するか。新製品では、一般的なマット塗装によるマット仕上げではなく、塩化ビニールのフィルム上に特殊なコーティングを施し、表面を凸凹に加工することで外部からの光を拡散する手法を採用。反射を抑えることで、マット塗装によるマット仕上げと遜色ないレベルにしたという。表面を凸凹にすることで、指紋などの汚れも付きにくくなった。

 「マット仕上げの素材感と耐指紋性を両立させた化粧フィルムは、業界初だろう。これでインテリアデザインの幅が大きく広がるはずだ」(コンストラクションマーケット事業部マーケティング部の鈴木宏和・部長)。

 壁やドアなどに貼って使う装飾用の化粧フィルムは、リアルな柄・模様を備える。3M ダイノック フィルムは、これまでに900点以上の柄・模様を用意している。マットシリーズでは、木肌の質感を再現した「ドライウッド」や工業的なイメージの「インダストリアルテクスチャー」など7カテゴリーの85点を開発しており、合計で1000点以上のラインアップになった。

左が「マットシリーズ」(品番PS-1870MT)で、右が同社の既存品(品番PS-999)。これまでは指紋が付きやすかった
左が「マットシリーズ」(品番PS-1870MT)で、右が同社の既存品(品番PS-999)。これまでは指紋が付きやすかった
表面を凸凹にすることで拡散反射させ、鏡面反射を抑えてマットに見えるようにした
表面を凸凹にすることで拡散反射させ、鏡面反射を抑えてマットに見えるようにした

技術者もミラノサローネへ

 マットシリーズのデザインは海外のデザイナーと、開発や生産は日本の工場で手掛けている。スリーエムの日本と米国、イタリアのデザイナーが連携し、デザインの最新トレンドをリサーチ。さらに日本人の技術者が「ミラノサローネ」に行き、直接にニーズをヒアリングしたという。どんな製品が望まれているか、そのための課題は何かなどを、技術者が自分の肌で確かめたことで、開発にも拍車がかかった。一方で、ユーザーとなる外部の設計者やデザイナーなど約100人にもインタビュー。製品に対する意見を聞き、開発の方向性などを見極めた。完成した製品に対し、「ぜひ使ってみたい」といった声が既に上がっている。

2018年5月30日〜6月5日に、マットシリーズをピーアールするイベントを東京の銀座・伊東屋「G.Itoya」で開催。スキーマ建築計画代表の長坂常氏がインスタレーションを手掛けた。こうした試みは同社にとって初めて。多くの来場者があったという
2018年5月30日〜6月5日に、マットシリーズをピーアールするイベントを東京の銀座・伊東屋「G.Itoya」で開催。スキーマ建築計画代表の長坂常氏がインスタレーションを手掛けた。こうした試みは同社にとって初めて。多くの来場者があったという
イベント会場でインスタレーションのコンセプトを説明する長坂氏。テーマは「SENSE+AMBIENCE」で、視覚的に感じてもらうだけでなく、実際に触れてもらうことで、新製品が持つ可能性や使用イメージを感じ取れる空間を目指した
イベント会場でインスタレーションのコンセプトを説明する長坂氏。テーマは「SENSE+AMBIENCE」で、視覚的に感じてもらうだけでなく、実際に触れてもらうことで、新製品が持つ可能性や使用イメージを感じ取れる空間を目指した
マットシリーズを活用したインテリアデザインの一例。1平方メートル当たりの価格(材料設計価格)は、「ドライウッド」の場合で9500円
マットシリーズを活用したインテリアデザインの一例。1平方メートル当たりの価格(材料設計価格)は、「ドライウッド」の場合で9500円
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