アルファロメオ350台を33秒で完売

 例えば、イタリアの高級車アルファロメオのケース。アリババのビッグデータを活用したマーケティング施策により、半年分の販売計画を上回る350台を、アリババのECサイトを通して、わずか33秒で売り上げたという。「私たちのお客さまである消費者と企業の双方にとって、満足度の高いビジネスを展開できる。それが当グループの特徴だ」と田中氏は強調する。

 今後、アリババは日本でどんなことを目指していくのか。方向性は2つあるという。「第1は日本の素晴らしい商品・技術・文化を、アリババのプラットフォームを使って、中国から世界のユーザーに提供していくこと。第2に、日本を訪れた主に中国人の観光客に、日本で素晴らしい体験をしてもらうことだ」(田中氏)。

2つの方向性を結びつけて皆にWin-Winを

 「この2つの方向性は相関関係がある」と田中氏は言う。例えば、日本を訪れた中国人観光客が日本で出合った商品を気に入った場合、本国に戻ってからアリババグループの運営するECサイトで同じ商品を購入する可能性が高い。そうなれば、アリババのECサイトに出店している日本企業と中国人の消費者の双方が、大きなメリットを得られるからだ。

 日本企業が中国に進出したり、訪日観光客にマーケティングしたりできる手立てについてもぬかりない。例えば、企業規模が小さく、アリババのECサイトに単独で出店するのが難しい場合は、複数の企業が集まってアリババのECサイトに出店することもできるという。「日本の地域経済活性化の施策の一つとして、アリババグループのECサイト出店を活用できる」(田中氏)。また、ユーザーが利用を許諾している、アリペイの持つ位置情報を活用すれば、中国からの訪日観光客に対して、日本企業がリアルタイムの販促活動を進めることもできる。

 「旅前、旅中、旅後と、アリババグループならすべての旅の行程で、訪日観光客と接点を持つことができる。観光客が日本で素晴らしい体験をしたり、日本の素晴らしい商品・技術・文化を世界に発信したりできるように、ぜひアリババグループの活用を検討して欲しい」

 田中氏は最後にこう語り、セッションを締めた。

(写真/稲垣 純也、志田 彩香)