イノベーションを起こす人のデジタル戦略メディアとして4月に誕生した「日経クロストレンド」――。創刊記念イベントとして6月18~20日に「日経クロストレンド FORUM 2018」を開催します。本記事では「Innovation」がテーマの2日目、6月19日の講演を紹介します。キーノートスピーチには、アリババ日本法人で代表執行役員副社長を務める田中豊人氏が登壇(午前10:00~10:40)。午後には「マーケター・オブ・ザ・イヤー2018」の表彰式並びに受賞者による講演なども予定しています。真にイノベーティブな企業の戦略とは何か、イノベーティブなマーケティングとは何か、来場者が抱く数々の疑問に答えるプログラムになっています。

アリババグループの成長戦略とは?

アリババ代表執行役員副社長でアント フィナンシャル ジャパン代表執行役員COOの田中豊人氏
アリババ代表執行役員副社長でアント フィナンシャル ジャパン代表執行役員COOの田中豊人氏

 キーノートスピーチには、アリババ日本法人の代表執行役員副社長であり、中国最大のスマートフォン向け決済アプリで一躍有名になった「アリペイ(支付宝)」を運営するアント・フィナンシャルサービスグループの日本法人、アント フィナンシャル ジャパンでも代表執行役員COOを務める田中豊人氏が登壇。「アリババ・グループがつなぐ、日本と世界の未来 ~データテクノロジーを駆使した新しいビジネスのカタチ~」と題して講演していただきます。

 アリババグループと言えば、中国国内向けのBtoC ECサイト「タオバオ(淘宝)」やBtoC ECサイト「Tモール(天猫)」を運営する中国最大のEC企業として知られています。

 しかし、実はECサイトや決済アプリのアリペイを通して得られた顧客の属性や購買情報といった大量のデータを蓄積・分析することで、ある商品やサービスの潜在的な顧客をあぶり出し、顧客にとって最適なタイミングで、最適な情報を送り、実際の購買につなげている「データカンパニー」でもあるのです。

 17年からは「新小売」の看板を掲げ、オンラインとオフラインをスムーズに融合したスーパーや無人レストランも積極的に出店。リアルの場からもデータを収集し、アリババの顧客一人ひとりについて、分析の精度を上げ続けています。

 そんなアリババグループが目指す新しいビジネスのカタチについて、余すところなく語っていただきます。

IDOM、トライアルも登場

 午後もイノベーティブな企業や担当者の魅力的な講演をそろえました。

 その一つが、「なぜ今、MaaSではなく『CaaS』に注力するのか~中古車IDOMの戦略~」です。近年、クルマ業界にとどまることなく、「MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)」という概念が注目を集めています。一方、中古車販売店「ガリバー」を展開するIDOMが次に見据えているのは「CaaS(カー・アズ・ア・サービス)」。MaaSへ向かう業界の流れを認識しながら、なぜ「CaaS」なのか。新規事業担当執行役員の北島昇氏に、その意図と展望を存分に語っていただきます。

IDOM 新規事業・人事・広報担当執行役員の北島昇氏
IDOM 新規事業・人事・広報担当執行役員の北島昇氏

 好評を頂いた特集「リアル店舗の逆襲~日本発、アマゾン対抗のリテールAI戦略」のリアル版が、「リアル店舗の逆襲、仕掛け人が明かす流通業のAI活用」です。九州を基盤にスーパーを展開するトライアルカンパニーに加え、同社が中心となって立ち上げた「リテールAI研究会」のメンバーが、AI活用の結果を基に、次世代店舗に導入する戦略をいち早く明らかにします。

リテールAI研究会 日用品分科会 テクニカルアドバイザーの今村修一郎氏(左)と、トライアルホールディングス 執行役員 グループCTOの松下伸行氏(中)。モデレーターを務めるリテールAI研究会 代表理事の田中雄策氏(右)
リテールAI研究会 日用品分科会 テクニカルアドバイザーの今村修一郎氏(左)と、トライアルホールディングス 執行役員 グループCTOの松下伸行氏(中)。モデレーターを務めるリテールAI研究会 代表理事の田中雄策氏(右)

 大企業が新規事業創出の切り札として捉えつつあるオープンイノベーション。一方、取り組みがスムーズに進まず、成果を生みだすに至らないケースも多いのが現実です。その障壁の原因と乗り越え方を検討するパネルディスカッションが「オープンイノベーション成功への3つの壁」です。オープンイノベーションを積極推進する企業の方々と議論していきます。

セブン銀行 常務執行役員 セブン・ラボの松橋正明氏(左)とライオン 経営戦略本部 事業開発部の藤山昌彦氏(中)。大企業とスタートアップ企業によるオープンイノベーションプログラムの企画立案から運営までを統括するCrewwの取締役/Managing Director・水野智之氏(右)
セブン銀行 常務執行役員 セブン・ラボの松橋正明氏(左)とライオン 経営戦略本部 事業開発部の藤山昌彦氏(中)。大企業とスタートアップ企業によるオープンイノベーションプログラムの企画立案から運営までを統括するCrewwの取締役/Managing Director・水野智之氏(右)

 そして最後は、日経クロストレンドと日経トレンディによる連動企画「マーケター・オブ・ザ・イヤー 2018」の授賞式になります。大賞の「ネスレ ウェルネス アンバサダー」を手掛けたネスレ日本 Eコマース本部 ダイレクト&デジタル推進事業部 部長の津田匡保氏や、準大賞の「クラフトボス」担当のサントリー食品インターナショナル ブランド開発 第二事業部 課長の大塚匠氏の他、各部門賞を受賞された方々も登壇。それぞれ革新を起こすまでの軌跡についてお話しいただきます。

ネスレ日本の津田部長(左)とサントリー食品インターナショナルの大塚課長(右)
ネスレ日本の津田部長(左)とサントリー食品インターナショナルの大塚課長(右)