「インターネット広告が約1.5兆円に対してテレビCMなどのオフライン広告市場が約5兆円。オフライン広告が大部分を占めているのが広告市場の実態。しかし、当社調査によればオフライン広告も含めた広告予算の最適配分まで算出できているマーケターは4.8%にとどまる」
サイカ代表取締役CEO(最高経営責任者)の平尾喜昭氏は5月24日に開催した発表会でこう指摘した。
同社が提供する広告分析ツール「XICA magellan(サイカ マゼラン)」は、インターネット広告、テレビCM、交通広告などの広告効果を統合的に分析し、どの広告が直接的、もしくは間接的に購買などに効いたかを分析できる。さらに、広告予算の最適配分を試算する。
相関ベースでオフラインも分析
消費者一人ひとりのメディア接触と購買をひも付けて分析する「シングルソースパネル」による分析手法も広がるが、サイカの分析手法は日次データと日次データの相関関係から見ている。「クッキーベースでつながるデジタルを越えて、オンライン、オフライン、(競合のCMや天気などの)外部要因を統合したつながりが見える」(平尾氏)のが特長だ。
2016年9月に提供を開始し、「当初は金融、ポータルサイトが多かったが、最近は、広告から成果への貢献が見えにくい店舗の売り上げがあるメーカー系が増えている」(平尾氏)。リリースから1年の段階で、パナソニックをはじめとして、広告宣伝費の上位100社のうち10%が利用しているという。
料金は「データによって変わるが、月額100万円前後から」(平尾氏)が目安となり、「成果を下げずに広告費の無駄を5%削減した事例もある」(同)と話し、費用対効果に見合うと説明する。
インテージは18年2月、自社データと外部ツールの連係を可能にする「INTAGE connect」を通じてXICA magellanとのデータ接続を開始している。提携によりこうしたデータ連係を強化する。さらに、分析前のデータ整形を支援するデータエンジニアや、分析を担当するデータサイエンティストといったインテージの人材がmagellan上でのデータ処理や分析を支援する。
サイカの平尾氏は本提携により「我々がターゲットとするブランド数は国内2200あると試算している。そのうち20%を20年までに顧客として獲得したい。本提携でそのスピード感を加速させる」と意気込みを示した。
