女性向け動画サービスを運営するC Channelはデジタル時代の新しいスターを作るプラットフォームを構築。エフエム東京、産経デジタル、集英社、松竹、ソフトバンク、東京放送ホールディングス(TBS)、ポニーキャニオンというパートナー企業と共に新会社、mystaを設立し、未来のスターを応援するオーディションアプリ「mysta」の展開を始めた。

「mysta」でどうやってスターを発掘していくのか。その方法についてC Channel代表取締役の森川亮氏は次のように説明した。
「アーティスト自身が動画を制作して、投稿する。その動画をユーザーの応援度合いでランキングし、上位タレントにはパートナー企業と連携したさまざまな活躍の場を提供することで、未来のスターを発掘していく」
また応援の場は動画だけではない。mystaでは毎月、ライブイベント「mysta festa」を開催し、その場もしくはライブ配信で応援できるような仕組みも用意。同サービスは今年1月からβ版がスタートしており、イベントも2回実施し、2万人以上が視聴したという。さらに4月からテレビ東京で半年間の公式番組「キミスタ☆」を放映。アプリと連動して楽しめる作りとなっている。
タレントのジャンルもボーカル、アイドル、お笑い、ダンス、インフルエンサーなどと幅広い。「mystaはタレントの夢を一緒にかなえるというクラウドファンディングのようなイメージとして捉えてほしい」と森川氏は語る。

参加8社それぞれの思惑
このサービスに参画するパートナー企業8社は相互に連携しながらも、それぞれの異なるテーマを持つ。C ChannelはF1層をターゲットにしたプロモーション企画の実施、および新規インフルエンサーの発掘企画、発掘後のアジアを中心とした海外展開の共同実施がテーマだ。
エフエム東京のテーマは声優をはじめとする声のスターの発掘だ。「7月からそのためのオーディション番組を開始する予定だ」と森川氏は紹介。それを受けエフエム東京常務の吉田乾朗氏も「未来のラジオスターを生み出したい」と意気込む。産経デジタルとはmystaで活躍するキャストが関係するニュースの発掘と報道、バーチャルYouTuber(VTuber)の発掘などを実施していくという。「当社は新聞社系ながら、デジタルメディアに特化した事業会社。VTuberやeSports関連で新しいスターを発掘していきたい」(産経デジタル社長の鳥居洋介氏)
集英社とは同社媒体と連動した動画企画を実施していく。すでに4月6日よりティーン向け雑誌「Seventeen」との連動企画「50万ポイントでアイテムゲット」という企画を実施中だ。同社取締役の田中恵氏は「新しい事業に参加できてうれしい。パートナー企業の方と連携することでどんなシナジー効果が生まれるのか、期待している」と喜びを語る。
松竹とはスマホ向け映像コンテンツの共同企画・制作および次期公開作品の共同プロモーションを行っていくという。「いまやネットの中にはすばらしい動画を作り配信しているクリエイターがたくさんいる。そういうクリエイティブな人たちを探したい。当社には海外での合作の話もたくさん来ている。mystaで発掘した新しいスターを合作に出し、海外で人気を獲得するところまで狙っていきたい」(松竹常務映像本部長の大角正氏)
ソフトバンクとは自社媒体を活用したプロモーション支援や若年層をターゲットにした共同プロモーション企画の実施を予定している。
「当社が持っているノウハウを駆使してプロモーションを展開し、パートナーのみなさんとこの事業を大成功させていきたい」(ソフトバンク副社長執行役員兼COOの榛葉淳氏)
TBSは動画配信における協業を基点とした事業シナジーの創出を担う。「当社グループと連動企画を展開することで、人気が出てきた人がさらなる人気を獲得し、成長してパフォーマンスのレベルを上げて、メジャーになっていく。そこに役割を果たせるのではと思っている」(TBS取締役の中尾雅至氏)
ポニーキャニオンとは新規才能発掘企画の共同実施、イベント・興業の共同企画・運営をしていくという。「私たちは音楽、映画、映像などいろんなコンテンツを手掛けているが、今一番必要なのはエンターテインメントを発信できる才能だと思う。mystaであればそれが発掘できると思い、本事業に参画した。同事業は各業界を代表する会社が参加しており、1のモノが2にも5にもなると期待している」(ポニーキャニオン社長の吉村隆氏)
世の中には優れた才能を持っているのに、発掘されないため埋もれたままになっているタレントがたくさんいる。 「mystaはそういうタレントが活躍できる場として活用してもらいたい。そしてスターを生み出していきたい」(森川氏)。mystaは当面、事務所に所属しているタレントが中心となるが、早晩、一般の人も参加できるようにするという。