イタリア外務・国際協力省が主催する「イタリアン・デザイン・デー」。2023年3月9日、イタリアを代表するインテリア雑誌「インテルニ(INTERNI)」編集長のジルダ・ボヤルディ氏が来日。プロダクトデザイナーの喜多俊之氏との公開対談会が実現した。
INTERNI編集長
デザインアンバサダーが大阪を訪問
イタリアン・デザイン・デーは、イタリアデザイン、および家具の世界的な普及を目的に2017年に始まった国際イベント。毎年3月9日に開催し、総務省文化庁や工業デザイン協会(ADI)などの機関と共通のテーマを設定。世界119カ国・地域に建築、デザイン分野の専門家を招き、講演、展示、コンペ、ワークショップなどを行ってきた。
第7回目を迎えた23年、ミラノから大阪にジルダ・ボヤルディ氏を招き、喜多俊之氏との対談が実現。会場となったコンラッド大阪のボールルームで行われた公開対談会には、東京を拠点とする政府機関の関係者なども含む日伊のデザイン関係者200人以上の参加者があった。「デザイナーズトーク:ミラノから大阪へ、そして再びミラノへ─デザインの旅」と題した公開対談会は、第7回のテーマ「サステナビリティー」を軸に両氏による講演と対談の3部構成で行われた。
ボヤルディ氏は、日本との縁が深いイタリアの建築家・デザイナーの話を皮切りに、写真を交えてこれまでの仕事を語った。「インテルニ」が「ミラノサローネ」と並ぶイベントとしての成長に寄与した「フォーリサローネ」、雑誌の企画で取材した世界の国、北京での大規模展示会、スペインの若いデザイナーとの取り組みについて語ると、改めてミラノの街に思いをはせた。
喜多氏は、ボヤルディ氏も話題に挙げたリサイクルを話の軸に、日本の江戸時代がSDGs(持続可能な開発目標)を先取りしていたことを振り返った。美濃の和紙や箱根の寄せ木細工、輪島の漆塗りの産地の職人と協業したことや、和紙で作った照明器具がミラノの百貨店で成功を収めたことを例に挙げながら、職人が自然の原材料を探求して工芸品を制作する上で発揮していた精神が、次世代の商品開発においても大切なことを伝えた。
ここではボヤルディ氏の講演と喜多氏との対談を紹介する。
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