「LINEマンガ」を展開するLINE Digital Frontier(東京・新宿)は、2022年7月1日付で、金信培(キム・シンベ)氏と髙橋将峰氏の共同代表制に移行した。共同代表制に移行した理由、および日本のマンガの未来について話を聞いた。
――共同代表制に移行した背景について教えてください。
髙橋将峰氏(以下、髙橋) 2022年3月末に、私が社長を務めるイーブックイニシアティブジャパン(東京・千代田。以下、イーブック)は「LINEマンガ」を展開するLINE Digital Frontier(以下、LDF)の100%子会社となったことがきっかけです。子会社化の背景にあったのは、LINEとヤフーがZホールディングスの傘下に入ったことと、LINEマンガとイーブックがデジタルコミック市場で競合ではなく、協業するため。両社の代表が共同代表を務めることで、経営、事業の実行の双方においてさらにパワーアップできると考えたからです。
――共同代表としてどう役割を分担するのでしょうか。
髙橋 それぞれの強みを生かすだけで、役割は明確には分けてはいません。
金 信培氏(キム・シンベ:以下、キム) 髙橋さんは日本でイーブックというトップレベルのデジタルコミックストアを運営してきたCEO(最高経営責任者)であり、業界のリーダーです。日本のマンガ業界に詳しく、出版社との関係も強く、組織運営にも優れている。一方、私は韓国のNAVER WEBTOON Ltd.において、webtoonという縦スクロールコミックのグローバル戦略を立ち上げ、リーダーとして同サービスの成長をけん引してきました。それぞれ異なる視点、長所を生かすことがLINEマンガ事業の拡張、さらには漫画の未来を創ることにつながると考えたのです。
――webtoonの特長、横読みマンガとの違いは何ですか。
髙橋 webtoonはスマートフォン(スマホ)で読むことをベースに作られたマンガです。最大の特長は縦スクロールをするだけで、迷わず読めること。日本人にはマンガ文化が浸透しているので、開き方やコマ割りで戸惑うことはありませんが、グローバルでは初めてマンガに触れる人もいます。そういう方には、webtoonのほうが戸惑うことなく読めるんです。
キム 例えば当社のwebtoonプラットフォーム「LINE WEBTOON」は、週刊連載が基本で、コメントを通して読者の考えや意見を受け入れるシステムを備えています。読者がどこを面白いと思っているのかを、作家や編集者は即座に知ることができるので、読者の声に合わせて創作活動ができるようになる。それも大きな特長です。
webtoonが主流になる?
――今後はwebtoonが主流になるのでしょうか。
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