2013年創業のスタートアップ、ヤプリが20年12月、東証マザーズに上場した。創業以来、売上高や導入数を伸ばしてきた企業の成長にデザインはどう貢献してきたか。代表取締役の庵原保文氏と、共同創業者でデザイナーの黒田真澄氏に聞いた。
ヤプリ代表取締役
ヤプリ取締役、チーフデザイナー
御社が提供する「Yappli」というサービスは?
黒田 プログラミング不要で、ブラウザー上でドラッグ&ドロップするだけでスマホアプリの開発や運用、分析が可能なプラットフォームサービスです。IT技術に詳しくない企業の担当者でもスマホアプリを作って運用できる「ノーコード」が特徴です。これまで、トヨタ自動車や「アンダーアーマー」のドーム(東京・江東)など550を超えるアプリの導入実績があります。
庵原 スマホアプリの導入コストを抑えられることや、開発スピードを大幅に短縮できるのが強み。「iOS」と「Android」の両OSに対応したアプリの開発、運用が同時に行え、導入後のデータ分析や改善を素早く繰り返せる。Yappliによって、スマホアプリを活用した企業のDXを支援しています。
「デザイン経営」をどう捉える?
庵原 デザイン経営は、意識するまでもなく当たり前のこととして捉えてきました。サービスも会社も、意識してきたのは「体験」です。サービスは触って動くデモを体験してもらってから販売し、導入後の顧客サポートのマニュアルなどもデザインにこだわっています。顧客、社員、株主とのあらゆるタッチポイントにおいて、相手がちょっとうれしくなるような体験の提供を心掛けています。当社のバリューの一つに「感動体験」があります。
デザイナーの情報発信が最も伝わりやすい
「ヤプリBOX」もその一例ですね。
庵原 新入社員全員にプレゼントしているヤプリBOXの中には、Tシャツや課題図書、手紙などが入っています。入社したその日から、会社としてのメッセージや大事に思っていることを最も記憶に残る形で提供したいと考え、あえてアナログなコミュニケーションとしました。初日から、他とは異なるユニークな企業だと感じてもらいたいと思っています。
デザイナーは何人いますか?
黒田 20人です。ヤプリには様々なデザイン職種がありますが、その中でも一番人数が多いアプリデザイナーは当社のユニークなポジションで、顧客の成功支援に取り組んでいます。
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