ファッションブランド「ANREALAGE」を手掛けるアンリアレイジ(東京・港)は、パロニム(東京・港)が開発した「TIG」と呼ぶインタラクティブ動画技術を活用し、「パリコレ」初のオンライン開催で動画を使った新しい「展示方法」に挑戦した。テクノロジーとファッションの関係をデザイナーの森永邦彦社長に聞いた。

森永 邦彦(もりなが くにひこ)氏
アンリアレイジ社長/デザイナー
1980年東京生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。バンタンデザイン研究所に通い服作りを始め、2003年にアンリアレイジとして活動を開始。「神は細部に宿る」という信念で作る鮮やかで細かいパッチワーク、人間の体にとらわれない独創的な服、テクノロジーや新技術を積極的に用いた服などが特徴

新型コロナウイルス感染症の拡大により、2020年9月の「Paris Fashion Week 2021 S/S Collection」(パリコレ)も初めてオンライン開催になり、アンリアレイジは「ANREALAGE Spring-Summer 2021 COLLECTION」を動画コンテンツで発表しました。以前からテクノロジーを活用したファッション作りを推進してきた森永さんですが、今回のコンテンツにはどんな特徴を盛り込んだのでしょうか。

コンテンツの中身は約11分の動画です。モデルさんに今回発表した服を着てもらい、富士山が見える静岡県富士宮市の朝霧自然公園で撮影しました。服のテーマを「HOME」として、服を移動できる「家」に見立てました。コロナ禍で従来よりも健康などの安全性が問われるなか、服を外界から身を守ってくれる存在と考えたからです。

 発表した服は実際にテントになる仕掛けがあり、銅繊維を含んだ抗ウイルス素材も使っています。担当者の安全性も考慮し、服作りもオンラインで進めました。3D(3次元)モデリングの技術を用い、デザインからパターン、フィッティングや修正までも画面上で行いました。

 コンテンツの見せ方にも技術的な工夫を施しています。今回はパロニム(東京・港)が開発した「TIG(ティグ)」と呼ぶインタラクティブ動画技術を採用しました。当社のECサイトにも飛ぶので、コンテンツを見て気になった商品をすぐ購入することもできる。

 9月29日に今回のコンテンツを公開したところ、予約が殺到して当社のサーバーがダウンしたほどでした。即時予約完売した商品もありました。TIGを導入した一般的な動画では、タップすると情報などが表示されるポイントを“吹き出し”などで表示していますが、今回は吹き出しなどを表示しない方法にすることで、ブランドの世界観をコンテンツが壊さないようにしました。

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