スマートフォンなどのデジタルデバイス分野を専門とするデザイン会社グッドパッチが2020年6月30日、東証マザーズに上場した。デザイン会社として初の株式公開を果たした同社の代表取締役社長/CEO、土屋尚史氏に、現代に求められるデザインの役割とは何かを尋ねた。

土屋 尚史氏
グッドパッチ 代表取締役社長/CEO
2011年9月に株式会社グッドパッチを設立。「デザインの力を証明する」というミッションを掲げ、様々な企業の事業戦略からUI/UXまでを支援し、企業価値の向上に貢献。ベルリン、ミュンヘンにもオフィスを構え、世界で200名以上のデザイナーを抱える。20年6月、デザイン会社として初の東証マザーズ上場。

2020年6月30日の東証マザーズ上場、これは日本のデザイン会社としては初の上場だそうですね。

僕たちは、デザインには投資すべき価値があると信じています。当社のミッシ ョンは「デザインの力を証明する」。まさに、デザインの力を証明するために上場しました。

 僕は27歳のときに米サンフランシスコに渡ってUI/UXに出合い、この領域でビジネスをやりたいと思いました。今はその波の先頭に乗っていると思います。が、先頭に乗ったら、乗った責任がある。この波を本物の波にするためにコミットし続けなければならない。波から下りることなく、拡大していきたい。そのための新規株式公開(IPO)でもあります。

今は、デザイン会社に求められる役割が大きく変化していますが、グッドパッチが他のデザイン会社と差異化するポイントはどこにありますか。

僕が起業する前までの日本のデザイン会社は、広告やグラフィックからきている会社がほとんどだったと思います。

 プロダクトデザインや広告デザインは産業として見れば歴史が⻑く、1990年代から 2000年代になると成熟産業と化していきました。Webが登場してきたのはちょうどその頃です。既存のデザイン会社はWebデザインも広告デザインの一部、延⻑と考えていました。

 グッドパッチを設立したのは11年です。当社が他のデザイン会社と違ったのは、広告でもグラフィックでもなく、最初からソフトウエアのデザイン会社として立ち上がった点です。しかもソフトと言っても、スマートフォンを中心としたデジタルデバイスのそれです。

 08年にiPhoneが日本に登場してから、人々の生活スタイルが一気に変わりました。生活の中にスマホが入り込み、1日のかなり⻑い時間をソフトに触れるという、 それまでにない体験が始まりました。そこで表層的な見た目のデザインを追うのでは なく、スマホを中心としたソフトウエアと、ユーザーの体験をデザインするという切り口で立ち上がったのがグッドパッチです。

グッドパッチが掲げるビジョンとミッション
グッドパッチが掲げるビジョンとミッション
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