ゼロから1を生みだすイノベーションに欠かせない発想力や創造力。それらを育む「アート思考」への関心が、じわじわと高まっている。アート思考を鍛えるワークショップを展開するボダイの町田裕治氏に、アート思考の本質とは何か、なぜそれが重要なのかを聞いた。

(写真/名児耶 洋)
(写真/名児耶 洋)
町田 裕治(まちだ ゆうじ)氏
ボダイ 代表取締役
1991年、京都大学法学部卒業。同年、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。大阪支社、東京支社、ソウル支社、上海支社にて、IT、ハイテク、インターネット関連プラクティスリーダー。組織変革、買収案件、都市開発案件などを多数手掛ける。採用・教育担当も兼任。次席共同経営者。その後、リムネット、ユニゾン・キャピタルなどを経て独立。2013年9月、ボダイを起業。企業再生・組織変革コンサルティング、新規事業立ち上げ、コンサルティングなどを手掛ける。17年から18年まで、東京都顧問、都政改革本部特別参与。99年ニューヨークで個展を開催するなど、画家としてもニューヨークと東京を拠点に活動

町田さんが考えるアート思考とはどういった内容ですか。

町田 裕治氏(以下、町田氏) 私が提唱しているアート思考とは、「アートの実践から学ぶ、創造力の鍛え方」です。「既成概念の外し方」とも言えるでしょう。

 イノベーションを起こすには今までの常識、既成概念を破るような独自の発想が必要で、その手法としてアーティストが作品を生み出すプロセスを応用します。「自分への問いかけ」や「自己表現」をしながら、「自分目線」で社会課題について考え、自由なアート作品として表現するという内容です。

 今までにない新しいアイデアやビジョンを生み出すうえで重要なのが、個人の強い意思です。しかし、企業で働いていると、会社の方針やクライアントの意向に合わせて物事を考えることが増えてくる。それがクセになってしまうと、自分が心の底から本当にやりたいことや、良いと思うことが分からなくなり、いつの間にか自分の軸を見失っていたりすることがあります。

 それは、企業で研修などを行っていると実感します。極めて優秀でパフォーマンスも高いのに、なぜか壁を突破できない感覚を持った方は、自分の軸がないことが多い。起業を志す方や、企業の中でリーダーシップを発揮したい方にとって、自己探索や自己表現は欠かせないと思います。

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