2020年1月18日、大阪の繁華街・難波にある昭和初期の百貨店建築「高島屋東別館」がフルリノベーションされ、サービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」に生まれ変わる。滞在型ホテルとも呼ばれるサービスレジデンスのビジネスモデルや市場性について、運営するアスコットジャパン(東京・港)のタン・ライ・セン代表取締役に聞いた。

タン・ライ・セン氏
キャピタランド・ジャパン代表取締役、アスコットジャパン代表取締役、アスコット社(シンガポール)日本および韓国地区統括本部長
シンガポール共和国国防省、シンガポール共和国通産省の在日シンガポール大使館勤務を経て、2005年にキャピタランド・ジャパンの日本副支社長として入社。06年に同社の代表取締役に就任。アスコットジャパンの代表取締役、アスコット社の日本および韓国地区統括本部長も兼務し、商業施設、ショッピングセンター、オフィスビルの管理・運営も統括している

 2020年1月にサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」をオープンさせるアスコットジャパンは、シンガポールに本社を置く世界最大規模の不動産会社「キャピタランド社」傘下の、サービスレジデンスのオーナー兼運営会社だ。アスコット社は1984年にシンガポールで「アスコット ザ レジデンス」を開業。その後、フランスのサービスレジデンスチェーン「シタディーン アパートメント ホテル」やオーストラリアの「クエスト アパートメント ホテルズ」などを買収して業容を広げてきた。現在、約6万7000室を運営中で、約4万5000室を開発中だ。

 日本では、東京・大手町の「アスコット丸の内東京」(130室)など、首都圏と京都に7施設を展開中。今回オープンするシタディーンなんば大阪は総客室数が313室で、アスコットジャパンとしては最も規模が大きい施設。また大阪へは初進出となる。20年秋には福岡にも宿泊施設をオープンする予定という。

1928年(昭和3年)に松坂屋大阪店として建築された歴史的建造物をサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」としてリノベーションする(画像提供/アスコットジャパン)
1928年(昭和3年)に松坂屋大阪店として建築された歴史的建造物をサービスレジデンス「シタディーンなんば大阪」としてリノベーションする(画像提供/アスコットジャパン)

 サービスレジデンスは、日本人にはあまりなじみがない業態だが、長期滞在型のアパートやホテルのことを指す。部屋は家電製品やキッチンなどが備え付けられたアパートのようだが、通常のアパートと異なるのは食事や清掃などのサービスが提供される点。「単身での海外駐在員や長期出張者をターゲットにしており、2~3カ月滞在するのが一般的」とタン氏は話す。

 ただ「日本などの先進国は住宅事情がいいので、途上国と比べると、駐在員や出張者の長期滞在ニーズは少ない」(タン氏)。そこで日本では、建築基準法上は「共同住宅」扱いとなる長期宿泊型サービスレジデンス(東京に3カ所)に加えて、防火設備などを強化し、旅館業法に基づくホテルライセンスを取得した施設(東京に3カ所、京都に1カ所)も展開。今回オープンするシタディーンなんば大阪は後者に当たる。共同住宅だと利用期間は最低でも1カ月からなのに対して、ホテル扱いなら1泊から利用が可能だ。

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