「無印良品」の「中の人」として活躍していた風間公太氏が4月、「MUJI passport」開発で知られる奥谷孝司氏と岩井琢磨氏が率いる顧客時間(大阪市)に合流した。すご腕マーケターは新天地で何を目指すのか。
風間さんは良品計画でSNS運営を担当し「ザ・中の人」のイメージですが、社会人としてのスタートは全く違う畑だったとか。
風間氏 大学を中退して音楽関係の仕事に就いたのですが、音楽学校で講師もしていました。しばらくして学校から「広報をやってみないか」と誘われ、広報や宣伝の仕事を始めました。実際に担当してみると、とてもやりがいがありましたが、もっと自分のフィールドを広げたいと、30歳で転職したのが「劇団四季」でした。
大胆な転身ですね。
風間氏 四季でも広報でしたが、学校の広報とは、伝える相手の数や事業の規模がまるで違う。勝手が分からず、毎日が“修行”でした。
メインで担当していた演目は『キャッツ』で、当時、すでに20年を超えるロングラン・プログラムになっていました。その魅力を伝え続ける必要があるわけですが、1年ごとに内容が変わるわけではない。新たな魅力をどう伝えるか、かなり悩みました。
しかも四季のPRでは、役者の名前を使わないのがルール。毎回「1000本ノック」のような感じで、PRの切り口、アイデアを考えていました。今振り返ると大変なことが多かったのですが、学びが多い職場でした。
良品計画に転じたのは、2007年でしたか。
風間氏 ええ。音楽学校では教育、四季では演劇という「形のないもの」に携わったので、次は「実在するモノ」に関わる仕事をしたいなと考えたのです。時代がどんどんデジタルに向かっていたので「次は、デジタルに関わりたいな」とも。そうした中、良品計画がWEB事業部(現在のオープンコミュニケーション部)の求人をしているのを知り、応募したのです。
そこで奥谷さんと出会った。
風間氏 当時、私はECサイトのディレクターとして商品を伝えるコンテンツを考えていました。そのチャネルとしてTwitterに注目し、09年10月に公式アカウントを開設したのです。10年に奥谷がWEB事業部の部長に着任し、その後、一気に無印良品のデジタルマーケティングが加速しました。
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