東京2020オリンピックのスポーツピクトグラムは絵で競技を表現し、競技会場をはじめとするさまざまな場面で情報を伝えるツールとなる。そのデザインを担当した廣村正彰氏をはじめとする開発チームにとって、課題の一つが“日本らしさ”をどう表現するかだった。2年もの間、検証を重ねたという。

東京2020オリンピックのスポーツピクトグラムをデザインした廣村正彰氏
東京2020オリンピックのスポーツピクトグラムをデザインした廣村正彰氏

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は2019年3月、東京2020オリンピックのスポーツピクトグラムを発表した。デザインを担当したのは、日本科学未来館や横須賀美術館、ナインアワーズ、すみだ水族館、名古屋城本丸御殿などを手掛けた廣村正彰氏をはじめ、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会と業務委託先の電通による10名ほどの開発チームだ。

 全33競技、50種類のピクトグラムは2タイプ。ピクトグラム単体で表現した「フリータイプ」と、東京2020エンブレムをイメージする円形の中に納めた「フレームタイプ」。フリータイプは、主にポスターやチケット、ライセンス商品に使用し、フレームタイプは地図やサイン、ガイドブックなど、主に情報伝達のために用いるという。

 オリンピックのスポーツピクトグラムは、言葉ではなく絵で各競技を表現し、情報を伝えることが役割だ。それは「日頃手掛けているデザインの“分かりやすさ”と共通している」と廣村氏は言う。廣村氏が考える分かりやすさとは、単にサイズを大きくしたり、色を派手にしたりして目立たせることではない。「ただ単に目立つだけのデザインは、すぐに見慣れてしまう。たとえサイズを大きくしなくても気づきを生んだり、興味を湧かせたりすることが、デザインの役目だと思う」(廣村氏)。

東京2020オリンピックのスポーツピクトグラム。フリータイプ(左)とフレームタイプ(右)
東京2020オリンピックのスポーツピクトグラム。フリータイプ(左)とフレームタイプ(右)
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