日本マクドナルド上席執行役員マーケティング本部長の足立光氏が6月いっぱいで同社を退職する。「裏メニュー」や「ポケモンGO」とのコラボなど、話題を呼ぶ施策を矢継ぎ早に打ち出し、業績をV字回復させた立役者の一人である足立氏。なぜ会社を去る決断をしたのか。この先どのような道に進むのかを聞いた。

日本マクドナルド 上席執行役員 マーケティング本部長
ネットで自ら退職を公表されたのが5月18日。(その経緯を知らないまま)足立さんからその翌日にメールで退職すると連絡をいただき、とても驚きました。7月以降はどうする予定なのですか。
当面は両親と同居して無職。ニートになります。少なくとも7月、8月の2カ月は仕事はしないで、長い夏休みを取ります。
決まっているのは、娘とモロッコ旅行に行くことだけです。この2年ほど、あまりかまってあげられなかった。二人で壮大な自然を感じてきます。ただ、これからも仕事をする気はあるので、良い仕事の口があったら教えてください。
退職は、なぜこのタイミング(6月)だったのですか。
(マクドナルドが)12月決算なのでちょうど上期が終わるというのが1つ。7月にはいろいろな会社イベントもあるので、6月いっぱいだと、区切りが良いのです。
マクドナルドに入ったのは2015年。ちょうど3年ですね。
正確に言うと2年9カ月。3年未満です。15年に、あるメディアに「同じ仕事を3年以上続けてはいけない」という題名の寄稿をしたので、その提言を自ら実践したわけです。「足立は約束を守る男だ」と捉えてもらえれば。
マスメディアなどに出過ぎましたか。
そういうイメージがあるかもしれませんが、実は取材にはそれほど応じていない。数えるほどです。講演などはしましたが、聴く人数も限られるので、僕の中で(講演は)メディアに出たことにはならない。
V字回復の立役者と(外部から)騒がれ過ぎた?
いえ、そもそも業績を回復させたのはこの会社の全員の力。総合力があったから立ち直れたのです。店舗など現場で働くスタッフが着実に改善、改革を実践してくれたことが大きかった。
私はそれを支える裏方、いわば傭兵です。(黒澤明監督の映画)『七人の侍』みたいなもの。村が野武士に襲われるという危機に際して、村人が7人の侍を雇う。でも、野武士を撃退してしまうと侍たちは村を去るでしょ。
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