「リトアニア」と聞いて、具体的なイメージが湧く人はどれくらいいるだろうか。バルト3国の1つで国土は北海道の8割程度、旧ソ連から1990年に独立して共産主義から資本主義に転換したばかりの若い国だ。このリトアニアをフィーチャーしたフェアが代官山 蔦屋書店で開催されている。
きっかけはバレンタインだったという。「リトアニアのライフスタイルやカルチャーを紹介しているデザイン会社・suimokさんから『リトアニアのチョコレートのパッケージデザインを手掛けたので、バレンタインに合わせてフェアをしてほしい』という依頼があった。ただ、パッケージが優れたデザインは他にもたくさんあるし、チョコレートだけでフェアをするのは難しいと感じた」というのは建築・デザイン担当の藪田千晴氏。
独立から約30年たって若い世代がカルチャーをけん引し始めており、こうした世代がエッジの効いたデザインセンスを持っていることなどを知った。「それなら、『リトアニアのデザイン』というテーマで、suimokさんが注目するクリエーターを紹介してほしい」(藪田氏)と依頼し、今回のフェア開催につながったという。
日本では北欧デザインが人気だが、リトアニアも国連の区分では「北欧」に分類される。とはいえ、「北欧のすっきりシンプルなデザインと共通する部分を持ちながらも、少し土っぽさや人の手のぬくもりを感じるところが魅力」と藪田氏はいう。
もともとリトアニアについて知らなくても、リトアニアに興味を持ち、訪れてみたいという消費者も多く、両国の懸け橋としても好評。また、デザインを軸にしたリトアニアの企画は今までほとんどなかったことから、現地のクリエーターも今回の企画をとても喜んでいるという。
一方、このリトアニアのデザインフェアの隣では、名古屋の個性的ハンバーガーショップ「KAKUOZAN LARDER」のフェアも開催されている。
KAKUOZAN LARDERは、「その存在自体がカルチャー」と言われ、オリジナルグッズやアーティストとの限定コラボグッズも制作。今回は「HARDWORKツアー」と題し、代官山 蔦屋書店を皮切りに、福岡、大阪、台湾、静岡、奈良などをめぐる。このように、まったく毛色の違うフェアが真横で展開されるのも、代官山 蔦屋書店の面白いところだ。
第1段落、「旧ソ連から1990年に独立して」に変更しました。 [2019/04/24 14:57]
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