出版不況といわれるなか、代官山蔦屋書店では異色の書籍が売れている。2018年11月7日に発売された“本”は何と1冊360万円。大判の書籍を得意とするドイツのアートブックブランド「タッシェン」から刊行された、フェラーリ70周年を記念した大型特別書籍だ。
この本はフェラーリの創業年(1947年)にちなみ、全世界で1947冊作られたもの。フェラーリの販売店でも取り扱いはなく、日本で購入できるのは代官山蔦屋書店だけだったという(代官山蔦屋書店での取り扱いは11月30日で終了。12月15日からは銀座蔦屋書店で販売)。
重量7kg、514ページに及ぶ書籍の中は、フェラーリが所有する全アーカイブの中から今回のためにセレクトされた写真で構成されており、「ファンでも初めて見るものもある」(代官山蔦屋書店 外商企画部室長の伊藤辰徳氏)というマニア垂涎(すいぜん)の一冊だ。
1947冊のうち、限定250冊のアートエディション(税別360万円)は、V12エンジンをモチーフとしたブックスタンド付き。スタンドの付いていないコレクターズエディション(限定1697冊)は税別72万円とお手ごろ(?)だが、360万円のアートエディションのほうが圧倒的に売れたという。
「先に発売された香港では6冊売れたと聞いていたが、それ以上に売れた。アートエディションは本体価格に消費税、ドイツからの送料を含めると店頭で支払う価格は約400万円にもなる。今までも豪華な本の取り扱いはあるが、ここまでのものはなかなかない」と伊藤氏も驚く。
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