米スターバックスや米ウォルマートなどの専用型決済アプリの使用体験者数が、Apple Payなどの汎用型アプリを超えたという報道が出ている。限られたチェーンでしか使えない決済アプリが優位なのはなぜなのか──。日本コカ・コーラ(副社長)、フィラ・ジャパン(日本代表)、アメリカン・エキスプレスInc.(ディレクター)などでグローバルマーケットでのブランドマネジメントおよびマーケティング職を歴任した射場瞬氏が解説する。

「中国、米国、欧州──世界的に決済の方法が激変している。日本もこれからはキャッシュレスだ。うちも決済機能付きのアプリを開発しなくては!」と考える日本企業が増えているようだ。そうした開発を進める前に、まず何を考えなければならないのか、決済機能付きアプリの成功のポイントとは何かを、ぜひ、考察していただきたい。
キャッシュレスの鍵となるモバイル決済アプリには、大きく2種類ある。1つは、「Apple Pay」「Google Pay」「Alipay」「LINE Pay」などに代表される、業界や業態を超えてさまざまな場所で支払いに使える汎用型のアプリである。成功のポイントは、「スマホ1つで、どこでも簡単に」「現金やカードより便利」といった価値体験を広く提供することであり、使用者、使用場所共に現在進行形で拡大している。
もう1つは、モバイル決済機能付き専用型アプリである。使用場所は、提供企業の店舗やサービス提供場所(オンラインを含む)に限定される。
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