デジタルサイネージ事業を展開するLIVE BOARD(ライブボード、東京・渋谷)は、富士通のAI(人工知能)解析を使って人々の顔の向きを分析し、屋内サイネージのインプレッション(視認数)を計測する取り組みを開始した。Web広告と同様の効果測定を可能にすることでサイネージ市場の活性化を目指す。

富士通が2月に発表した画像解析AIシステム「GREENAGES Citywide Surveillance V3(グリーンエイジズ シティワイドサーベイランス V3)」を使い、人々の顔の向きを検知する
富士通が2月に発表した画像解析AIシステム「GREENAGES Citywide Surveillance V3(グリーンエイジズ シティワイドサーベイランス V3)」を使い、人々の顔の向きを検知する

 ライブボードは、NTTドコモが51%、電通が49%を出資して設立したデジタルサイネージの事業者。東京都内を中心に約80面の屋外デジタルサイネージに広告を配信している。NTTドコモが開発している携帯電話の接続情報による人口分析サービス「モバイル空間統計」を使い、デジタルサイネージの可視範囲内にいる人数を推計し、広告効果を分析するための情報を広告主に提供してきた。

 今回採用した富士通のAIは、カメラに映る人々の顔が向いている方向を捉える機能を持つ。「プライバシーの保護に配慮しつつ、個人を特定しない形で骨格や頭の向きを捉える」(富士通ソーシャルデザイン事業本部長の有山俊朗氏)。カメラでサイネージの周囲を歩く人々の姿を捉え、顔がサイネージの方向を向いたときに1インプレッションとして計測する。

富士通の画像解析AIのデータをグラフ化したイメージ。年齢層や性別の解析もできるが、今回のライブボードとの取り組みでは、まず顔の向きのデータのみを活用する
富士通の画像解析AIのデータをグラフ化したイメージ。年齢層や性別の解析もできるが、今回のライブボードとの取り組みでは、まず顔の向きのデータのみを活用する

 ライブボードは、これまで他社の顔認証システムの検証もしてきたが「カメラ1台で複数の人数が判別でき、1度に多数のサイネージをカバーできる」(ライブボード テック部の宮川聡氏)という機能面や柔軟性で、富士通のAIを採用した。

美容室向けサイネージで試験運用

 屋外サイネージのために幅広い範囲を分析するには、8Kなどの高画質カメラと高い画像処理能力が必要でコストは高くなる。まずは屋内のサイネージ向けに、狭い範囲を低価格なUSBカメラで捉える取り組みを進める。これまでの実験では、視認範囲は7~8メートルで同時に10人ほどの視線を判別できているという。

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