中国EC最大手のアリババ集団は2020年5月20日、自社のスマートスピーカー「天猫精霊(Tモールジニー)」の新商品発表会で、約100億元(約1500億円)の資金を投入し、あらゆるものがネットにつながる「IoT」とAI(人工知能)を組み合わせた「AIoT」およびコンテンツエコシステム(生態系)を強化すると発表した。アリババは自社の製品・サービスで形成する多様なエコシステムを連動させ、ユーザーの日常生活におけるニーズを満たしていく方針だ。

アリババの新しいスマートスピーカー「天猫精霊(Tモールジニー)CC10」(画像はアリババのリリースより)
アリババの新しいスマートスピーカー「天猫精霊(Tモールジニー)CC10」(画像はアリババのリリースより)

 今回の資金投入は、TモールジニーのIoTオペレーションシステムや最先端のコンピューティング技術、視覚や音声周りのAI技術などの研究開発に充てられる。加えてアリババは、自社の持つ最新のAIoT技術やマーケットのニーズ(消費者インサイト)を読み取る能力、製品設計をプランニングする能力、豊富なインタラクティブサービス機能を活用し、提携パートナーとの間で最先端のさまざまな製品を共同開発していることも明らかにした。

 またアリババは、2020年7月1日から、アリババ傘下のコード決済サービス「支付宝」(アリペイ)のアプリ内アプリ「支付宝小程序(アリペイミニプログラム)」のうち170万個以上を、徐々にTモールジニーにつなげていくことも発表している。例えば、Tモールジニーのスクリーンからアリババのライブコマースプラットフォーム「淘宝直播(タオバオジーボー)」のライブ配信コンテンツを視聴したり、そこで商品を購入して決済したりできるようになる。その後も、アリペイミニプログラムで提供されるさまざまなサービスを、Tモールジニーで利用できるようになることが期待される。

KFC専用のTモールジニーを開発

 アリババは米大手ファストフード・チェーンのケンタッキーフライドチキン(KFC)と提携することも発表している。提携内容は、KFCをテーマにした特別版のTモールジニーの共同開発だ。ユーザーはTモールジニーのスクリーンを通じて、KFCの朝食メニューを選択でき、音声認識機能を通じて決済までTモールジニー上で完了できる。KFCの朝食注文サービスは今年下半期に提供開始予定で、中国全土の約5000店舗をカバーする予定となっている。