中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)の翻訳サービス「百度翻訳(バイドゥファンイー)」は2020年5月11日、2020年第1四半期(中国では1月~3月)の1日当たりの利用者数(DAU)が前四半期比10%増、前年同期比40%増となったことを公表した。業界内の成長が鈍化傾向にある中で、同サービスはユーザーから高い評価を受け、成長を見せた。
翻訳対応言語数が世界一に
バイドゥファンイーの成長をけん引した最大の要因は、その翻訳対応言語数だ。第1四半期中、翻訳対応言語数を7倍近くに拡充。現在、200種類の言語間での翻訳を可能にし、世界で対応言語数が最も多い翻訳システムとなっている。実際に利用されている翻訳を文字数で示すと、世界各地で1日当たり1000億文字以上で、1秒当たり平均100万字以上の翻訳をこなしている計算となる。
オンラインでの英語学習をサポート
新型コロナウイルスの流行により、オンライン学習への需要が急増したことも、成長の背景にある。バイドゥファンイーは、AI(人工知能)技術を活用した「辞書」や「スピーキングレベル評価システム」といった機能を提供し、ユーザーのニーズを満たした。
例えば、AI技術を活用した辞書にはもともと、画像認識や音声認識を通じて単語を読み込む機能や、音声を翻訳し文字に変換して示す同時通訳機能などが備わっていた。そこに、ユーザーの好みに合わせた学習コンテンツのレコメンド機能や発音の正確さをAIでチェックする機能などを新たに加えた。
また、豊富な情報を提供して英単語を解説したり、単語の意味の背景を伝えたりする短編動画や、中国教育部が主催する大学生対象の英語検定試験「大学英語考試」、中国統一高校入試「中考」および大学入試「高考」などの過去5年近くの出題データなども、新たに追加している。
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