中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2020年3月25日、オープンソースで提供している独自開発のブロックチェーン基盤「超級鏈(XuperChain)」の新たなプロダクトおよび今後の計画を発表した。バイドゥはブロックチェーン使用のハードルを引き下げ、業界の発展を促進する。同時に、各業界でエコシステムを形成する、より多くの提携パートナーにブロックチェーン技術を提供し、ともに利益を稼ぎ出すことを目指す。

「超級鏈(XuperChain)」の新たなプロダクトおよび今後の計画を発表したバイドゥのリリース
「超級鏈(XuperChain)」の新たなプロダクトおよび今後の計画を発表したバイドゥのリリース

 今回の発表では、XuperChainのプロダクトの全貌が初めて公表された。プロダクトは、「超級鏈専業版(直訳でXuperChainプロ版)」「超級鏈開放網絡(直訳でXuperChainオープンネットワーク)」「業界向けソリューション」の3つに大きく分けられている。

 1つ目の超級鏈専業版は、標準化されたブロックチェーンプロダクトだ。ブロックチェーンと業務の融合を簡単かつスピーディーに実現でき、システム開発者に対してブロックチェーンネットワークの導入、監視、運用、保守をサポートする。同プロダクトの導入形式は3つあり、「クラウド経由による導入」「顧客自身が所有する(オンプレミスの)コンピューターへの導入」「ハードウエアとソフトウエアを一体化した機器の購入による導入」がある。

 2つ目の超級鏈開放網絡は、名前の通り、超級鏈に基づいたグローバル規模のネットワークである。ブロックチェーンによりネットワークの信頼性を向上しており、多くのユーザーが安心して利用できるエコシステムを構築している。 そのネットワークの規模は大きく、世界中に点在する権威あるノード(ブロックチェーンを構築するコンピューター)の多くをカバーしており、同ネットワークに接続すれば、ブロックチェーンをすぐ使用できる。

 さらには、ブロックチェーンの迅速な導入や運用環境の整備、計算能力の向上、データ保存といった有料サービスを、ユーザーのニーズに合わせて柔軟に提供する。そうすることで、ブロックチェーンを導入し、運用・保守まで手がけるユーザーのコストの削減をサポートしている。

 また同時に、ブロックチェーン上で稼働する分散型アプリケーション「DApp(Decentralized Applications)」の開発者に対し、シンプルで使いやすいワンストップな管理サービスも提供している。同サービスは、超級鏈開放網絡がリリースされて以来、1000人近くの開発者が利用を申請している。例えば、さまざまなソリューションを開発・提供する浙江正遠知恵科技は、同ネットワークを活用した学校用総合サービススマートフォンアプリ「易校園(イーシャオユエン)」を開発し、リリースした。同アプリに対する1日当たりのサービス要求数は2万8000回を超えている。

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