中国EC最大手のアリババ集団の企業向けコミュニケーションツール「釘釘(ディントーク)」は2020年3月13日、国際連合教育科学文化機関「UNESCO(ユネスコ)」が世界に向けて推奨する遠隔教育ソリューションのリストに掲載された。新型コロナウイルスの感染拡大により全世界で多くの学生の教育進度に影響が及んでいる中、ユネスコはこのようなリストを通じて世界各国の学校や教職員、保護者に対して参考情報を提供している。

釘釘(ディントーク)は中国全土30以上の省で14万校、合計1億2000万人の学生に利用され、授業に使われていることを明らかにした(アリババ集団のリリースより)
釘釘(ディントーク)は中国全土30以上の省で14万校、合計1億2000万人の学生に利用され、授業に使われていることを明らかにした(アリババ集団のリリースより)

 ユネスコがホームページ上で発表しているデータによると、全世界の39の国や地域で、約4億2100万人の子供や若者の教育が、新型コロナウイルスの影響を受けている。そのうち、就学前児童から高校生までの学生の数は約3億5500万人で、大学や専門学校などの高等教育を受ける学生の数は約6688万人となっている。

基本サービス料無料のソリューションを提供

 今回、ユネスコが発表している遠隔教育ソリューションの推奨リストは、新型コロナウイルスにより教育への影響を受けている、こうした学生の状況を改善するために、発表されたものである。リストに選ばれた複数のソリューションに共通する特徴として、ユーザー数が多い、基本サービス利用料は無料、多言語に対応している、などが挙げられる。アリババ集団の傘下にあるディントークも、2020年3月13日に、この推奨リストに名前が掲載された。

 中国では、各地の教育機関は3月初旬から次々と授業を再開している。ただ、授業再開といっても、生徒や学生に通常通り登校してもらうという教育機関は、まだそれほど多くない。生徒や学生が在宅のままでも授業に参加できるように、遠隔教育ソリューションを利用するという教育機関が少なくないという。

ディントークをデジタル社会のインフラにすることを目指す

 こうした流れを受けて利用者が急伸しているディントークは、20年3月時点で、中国全土30以上の省で14万校、合計1億2000万人の学生に授業で利用されていることを発表した。ディントークの陳航(チェン・ハン)CEO(最高経営責任者)は、「ディントークがデジタル社会のインフラとなり、社会が健全に発展するために必要とされるようになることを望んでいる」と話した。