中国EC最大手のアリババ集団は2020年3月9日、従業員に対し自社の新型コロナウイルス対策を公表した。20年2月24日から正式に従業員の職場復帰を開始し、現在は大部分が復帰している。今回はアリババの取り組みから、こうした事態が生じたときの職場復帰について、ヒントを整理して伝える。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、従業員の職場への出勤を停止して自宅でのテレワークに踏み切る企業が少なくない。アリババ集団は10万人の従業員の出勤を一時停止したが、2020年2月24日から徐々に職場への出勤を認め、今では大部分の従業員が職場で勤務し始めている。そのためにアリババ集団が取った5つの対策を示した。
対策① QRコードで従業員の会社の出入りを管理
アリババは会社の敷地への出入りを徹底的に管理する。敷地に入る際は、従業員は「阿里園区通行碼(日本語でアリババ園区通行コード)」と呼ばれるQRコードの提示が求められる。このQRコードはアリババ集団が開発したクラウドベースの企業向けコミュニケーションツール「釘釘(ディントーク)」のスマホアプリで提示でき、従業員の健康データをもとに緑色、赤色、黄色、灰色の4色で感染リスクを評価している。QRコードが緑色になっている従業員は敷地のエントランスを通過できるようになっている。
対策② AIで食堂の混雑を解消
会社に復帰する従業員の人数は多く、食事の際の食堂での混雑をいかに避けるかというのも、ウイルス感染防止において重要な課題となっている。普段は食事の時間になれば食堂は長蛇の列ができるほど人でいっぱいになる。この課題を解決するために打ち出したのが、AI(人工知能)技術を活用したスマートデジタルロボットによる食事案内システムだ。食事の時間になるとスマートデジタルロボットが従業員に時間と場所を通知する。従業員はそれに従って時間帯とエリアをずらして食事を取ることで、食堂の混雑を解消し、感染リスクを軽減する。
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