新型コロナウイルスの広がりのため、中国政府は中国の60以上の都市で、不動産開発業者と不動産仲介業者に対し、オフライン営業中止の通知を出した。各地の不動産販売店が静まり返る一方、営業活動はオンラインへ移行し、ライブコマースによる商戦が始まっている。そこで活用されているのが、中国EC最大手のアリババ集団が提供する「雲賣房(ユンマイファン)」という、不動産売買をクラウド上で実現できるサービスだ。
ユンマイファンのサービスは、アリババ集団が運営するネットオークションプラットフォーム「阿里拍賣(アーリーパイマイ)」と、ECサイト「淘宝網(タオバオ)」のライブコマースプラットフォーム「淘宝直播(タオバオジーボー)」とが、共同で推進する。
ユーザーはタオバオジーボーのスマートフォンアプリを使い、オンラインにてオークション形式で不動産物件を購入できる。その際、VR(仮想現実)による物件の内見や、不動産仲介業者のライブ中継による物件の内見ができる。一方、不動産仲介業者は自撮り棒にスマホを取り付ける簡単な方法で、ライブ中継を通じて不動産物件を紹介できる。多くの仲介業者は、物件の近くで周辺の施設をリポートしたり、中には犬を連れて敷地内の池や芝生を実際に散歩したりなど、体験談を共有することで、物件の使い勝手をリアルに視聴者に伝えていた。
ユンマイファンは2020年2月20日時点で500件以上の不動産物件、5000人以上の仲介業者を抱えており、中国国内100以上の都市で利用されている。また20年2月11日から17日までの7日間における閲覧者数は200万人超を記録した。
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