中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)は2020年1月28日、中国全土で疫病の拡大防止対策処置をする機関に対し、「スマート・アウトバウンドコール・プラットフォーム」を無償で開放することを発表した。社区(社区は中国独自の地域コミュニティー、行政単位)での新型コロナウイルスの感染状況の調査および注意の呼びかけなどの作業を自動化できる。

スマート・アウトバウンドコール・プラットフォームを無償開放したことを知らせるバイドゥのリリース
スマート・アウトバウンドコール・プラットフォームを無償開放したことを知らせるバイドゥのリリース

 現在、中国で新型コロナウイルスの感染が拡大しており、事態は悪化の一途をたどっている。中国で医療情報サイトを運営する企業「丁香園(ディンシャンユエン)」が公表した速報によると、2020年2月10日時点で感染が確認された患者数は全世界で4万546人、うち中国で4万235人。死亡者は全世界で910人、うち中国では909人となっている。この数字は、02年から03年にかけて中国を中心に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS=サーズ)の全世界における死亡者数約800人を上回るものとなっている。

 そして、中国国内では、各社区での住民の健康状態や実際にどこにいるかという流動状況の迅速な把握が、現状の新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ上で非常に重要となっている。しかし、各社区の人口も多く、流動性も高い状況において、スタッフが不足する医療機関や自治体などの組織にとって、スピーディーな処置は困難となっている。そこで、バイドゥのスマート・アウトバウンドコール・プラットフォームが活躍する。

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